特殊すぎる太陽の環境と謎!不思議で壮大な太陽の真実18

太陽


私たちの地球が存在する太陽系の中心「太陽」。地球を生命の母だとするならば太陽は「生命の父」と呼べるかもしれません。
今回は太陽の特殊すぎる環境と現象、誕生と死、残された謎についてご紹介します。

 
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太陽

①太陽とは

太陽は地球がある太陽系の恒星であり、太陽系の物理的中心となっている天体です。太陽の質量は太陽系に存在する全質量の99%を占めており、その強力な重力は太陽系のすべての天体に影響を与えています。

太陽とは
画像:NASA

また、太陽は非常に強大な熱と光エネルギーを保持しており、このエネルギーによって地球の生命も誕生、繁栄することができました。ちなみに地球の月以外の衛星も月と呼ぶのと同じように、太陽系以外の恒星も太陽と呼ばれることがあります。

 

②太陽の大きさ

太陽の直径はおよそ139万キロメートルもあり、その大きさは地球の約100倍に相当します。仮に地球を1メートルであるとした場合、太陽は東京ドームほどの大きさがあることになります。質量も33万倍と非常に大きく太陽がいかに巨大な天体かがわかりますね。

太陽の大きさ
画像:Lsmpascal

ちなみに恒星として最大の大きさを誇る天体は「L1551-IRS5」と呼ばれる恒星で、その直径は148億キロメートルと地球の一万倍以上の巨大さです。太陽系最小の惑星である水星と最大の惑星である木星については関連記事でまとめています。

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③太陽の位置

太陽は恒星であるため地球が存在する太陽系の中心に位置しています。また、太陽系が存在する銀河系の中心からは2万5千光年の距離に位置しており、「オリオン腕(わん)」と呼ばれる棒渦巻銀河の腕のひとつに属しています。

太陽の位置
画像:pixabay

棒渦巻銀河は渦巻き状に伸びるいくつかの腕を持っており、太陽系が存在する腕はオリオン座のある方角に位置していたためこの名前が付けれました。

 

④太陽までの距離

太陽と地球の距離は約1億4960万キロメートルも離れています。これは地球を1メートルの大きさであると仮定した場合に太陽は12キロメートルも離れている計算になります。また、太陽から地球までは8光分離れているため、私たちは8分前に太陽から発せられた光を感じているということになります。

太陽までの距離
画像:NASA

ちなみに月に行ったアポロ宇宙探査機の速度にすると1920日ほどあれば太陽に到達することが可能です。また、現在の宇宙探査機であれば一年ほどで太陽に接近することができるかも知れません。しかし、太陽は非常に高温であるため接近する途中で探査機のシステムが破壊されてしまうことでしょう。

 

⑤太陽の重力

太陽の重力は274 m/s2と地球の約28倍もあります。太陽は灼熱の天体であり地表面が存在しないため地面に降り立つことはできませんが、仮にそれができたとしても地球の生物は満足に活動することはできません。体重60kgの人間も太陽の重力下ではおよそ1.7tの高重量になり、海からあがったクジラのように自分の体重によって押しつぶされてしまいます。ちなみに人類が絶えることができる重力は最高でも体重の6~7倍といわれています。

太陽の重力
画像:pixabay

巨大な重力を持つ太陽によって太陽系は大きな影響を受けており、奇跡の惑星と呼ばれている地球もその例外ではありません。過酷すぎる惑星環境を持つ金星については関連記事でまとめています。

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⑥太陽の温度

太陽の表面温度は約6000℃の超高温であり、この熱エネルギーは太陽系のほぼすべての天体にまで到達します。これに対して太陽表面に見られる黒点はそうでない場所に比べ温度が低くなっていますが、それでもその温度は4000℃に達します。この高温は太陽の中心核で起こる核融合によって放出されており、この反応により毎秒400万トンを超える質量が熱エネルギーとして生まれ変わります。

太陽の温度
画像:Kelvinsong

最も高温な中心核の温度は2240万℃にもなり、気圧は2500億気圧にまで到達します。太陽の中心核ではその特殊な環境のためにすべての物質は気体として存在しており、同時にプラズマ状態でもあります。地球に暮らす私たちには想像もつかいない驚異の環境ですね。氷の火山を持つ不思議な冥王星については関連記事でまとめています。

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⑦太陽大気と彩層

太陽には光球というおよそ300~600キロメートルの薄い層が存在しており、その外側の部分は「太陽大気」と呼ばれています。また、光球の表面には「彩層」という2000キロメートルほどのプラズマ層も存在しており、皆既日食の際には肉眼でも観測することが可能です。

太陽大気と彩層
画像:NASA

太陽系最速の風が吹く海王星については関連記事でまとめています。

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⑧太陽のコロナ

彩層のさらに外側には「コロナ」と呼ばれる約360万℃のプラズマ大気層が存在しています。このコロナは太陽から700万キロメートルの距離まで広がる巨大なもので、彩層と同じく皆既日食のタイミングで観測することができます。

太陽のコロナ
画像:Luc Viatour

コロナからは太陽風が放出されており、この太陽風は太陽系全域に到達しそれぞれの天体に影響を与えています。

 

⑨太陽の黒点

太陽の表面には周囲よりも温度の低い黒い点のような箇所が確認でき、これらは太陽黒点または黒点と呼ばれています。これまでの観測から黒点は常に増減を繰り返していることがわかっており、太陽の強力な磁場によってプラズマガスの対流が妨げられて発生すると考えられています。

太陽の黒点
画像:NASA

黒点は巨大なものであれば日没の際などに肉眼で確認することができ、ガスの対流によって太陽表面を移動する現象も観ることが可能です。これが原因となって「八咫烏(やたがらす)」などの日本神話が生まれてといわれています。

 

⑩太陽の紅炎(プロミネンス)

彩層の一部が太陽の強力な磁力線によってコロナに放出される現象を「紅炎(こうえん)」と呼びます。また、現在では英名の「プロミネンス」と呼ばれることも多いです。紅炎は皆既日食の際に肉眼で確認することもでき、太陽から噴き出す紅い炎のように見えることからその名前が付けられました。

太陽の紅炎(プロミネンス)
画像:NASA

紅炎は数か月にわたって長期で発生する「静穏型紅炎」と、激しく形状を変化させる「活動型紅炎」が存在しています。ダイヤモンドの海が存在する天王星については関連記事でまとめています。

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⑪太陽の磁場と差動回転

太陽は非常に特殊な磁場を持っていることがわかっており、磁力線は太陽風に乗りながら螺旋状に放出されます。また、黒点周囲では磁場が強く、場所によってその強弱が変化します。

太陽の磁場と差動回転
画像:NASA

これは太陽内部がプラズマ状態にあることによって赤道では速くそれ以外では遅く自転することが原因で、この運動は「差動回転」と呼ばれています。差動回転は太陽において特殊な磁場を生み出すだけでなく黒点や紅炎を発生させ、太陽フレアを引き起こします。

 

⑫太陽フレア

太陽フレアとは太陽の表面で発生する爆発のことで、「太陽面爆発」とも呼ばれています。黒点の周囲で発生することが多く、太陽系で最大の爆発現象になります。太陽フレアの規模は数万キロメートルにも達し、その威力は水爆1億個分に相当するといわれています。この爆発は地場などの影響からコロナのプラズマが数千℃にまで加熱されることで発生しており、磁気嵐の放出によって地球上でも電波障害などが引き起こされます。

太陽フレア
画像:pixabay

また、地球の磁気圏外では致死量の被ばくを受けることもあり、宇宙飛行士にとっては命に関わる現象でもあります。そのため、太陽フレアなどの状況は「宇宙天気ニュース」などで随時更新されています。

 

⑬太陽の誕生

太陽は今からおよそ46億年前に超大規模の恒星が引き起こした「超新星爆発」の残骸から誕生したと考えられています。超新星爆発の後、宇宙空間にはガスや宇宙塵などの星間物質が大量に放出されました。これらの星間物質はやがて集約され、自らの持つ重力によってどんどん密度を増していきます。

太陽の誕生
画像:NASA

これらは非常に長い時間をかけて高密度になり、「原始星」へと姿を変えていきました。この巨大な原始性はさらなる成長を続け、やがて核融合によって高温高密度の恒星が誕生します。これが太陽の誕生です。太陽の周りには残された星間物質から多くの惑星が生まれ、ついには太陽系が完成しました。謎の衛星である月ついては関連記事でまとめています。

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⑭太陽の死

太陽の中心核では常に熱核融合が起こっているため、いつかは太陽も死を迎えることになります。核融合はどんどん効率を増していき、太陽は時間経過とともに今よりもどんどん明るくなっていきます。最新の研究では太陽の寿命は残り123億年とされており、その過程で現在の2倍の明るさにまでなるといわれています。

太陽の死 赤色巨星
画像:Fsgregs

太陽は超新星爆発を引き起こすほどの質量がないため、63億年後には核融合のための燃料が底を尽き「赤色巨星」の段階に突入します。この段階では太陽はどんどん膨張していき、最大で現在の170倍にまで膨れ上がります。水星と金星は太陽に飲み込まれ消滅、地球も接近した太陽の熱によって灼熱の星となり生物種はすべて絶滅します。その後、太陽は一旦現在の10倍ほどの大きさにまで縮小した後、今度は現在の800倍にまで膨張します。この段階では太陽は現在の地球の軌道にまで達していますが、太陽の重力が衰退するため軌道が現在よりも遠くなり地球が太陽に飲み込まれることはないと予想されています。

太陽の死 白色矮星
画像:NASA

その後、太陽は「白色矮星」となりだんだん冷えて地球と変わらない大きさにまで収縮していきます。123億年後には収縮も止まり太陽は完全に寿命を迎えます。太陽よりもずっと巨大な恒星は超新星爆発を起こしたり、その後ブラックホールを発生させたりしますが、太陽のように小さな恒星の最期はとても静かなものなのです。

 

⑮太陽の謎 コロナの温度

太陽の表面温度がおよそ6000℃なのに対し、それよりも外側のコロナが200万℃もの高温になる矛盾が存在します。この謎は「太陽最大の謎」と呼ばれ、現在でも結論には至っていません。これまでには太陽の対流運動が発生させる衝撃波などがコロナ層を加熱しているのではないかとする説や、太陽磁場による加熱説、フレアによる加熱説などが提唱されています。

太陽の謎 コロナの温度
画像:NASA

 

⑯太陽の謎 液体でない不思議

これまでの観測から太陽は気体に近い状態であることがわかっています。しかし、太陽は非常に高重力であるため、たとえ表面が気体であっても中心核には液体が存在しないとおかしいとする意見もあります。現在では太陽内部はプラズマ状であり、個体でも液体でも気体でもない状態ではないかとされていますが、実のところ現在でもその結論は出ていません。

太陽の謎 液体でない不思議
画像:NASA

 

⑰太陽の謎 幻の輪(環)

太陽には土星や木星と同じように輪(正しくは環)が存在していました。太陽の輪は1960年代にアメリカの研究者によって発見されました。この輪は日食の際に観測され、太陽から300万キロメートルも離れた場所にリング状に広がっていました。

太陽の謎 幻の輪(環)
画像:wallpaperhd

しかし、1993年に日本の研究チームが観測して以降なぜか観測することができなくなってしまいました。この幻の輪も太陽の謎のひとつに数えられています。輪を持つ代表的な惑星である土星については関連記事でまとめています。

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⑱太陽の謎 巨大UFOとポータル

2014年8月、NASA(アメリカ航空宇宙局)とESA(欧州宇宙機関)が運営するリアルタイムで太陽の観測状況を公開するサイト「Helioviewer」の映像に、UFO(未確認飛行物体)と思われる不自然な物体が観測されました。このUFOは棒のように細長い形状をしており、推定される大きさは地球の直径の10倍以上という巨大なものでした。

動画:Helioviewer

太陽の周囲ではこれまでにもUFOと思われる不審な物体がいくつか確認されています。その理由について高度な地球外生命体がUFOにエネルギーを供給するために膨大なエネルギーの塊である太陽(恒星)に接近しているのではないかとする研究者もいます。また、NASAは太陽の近くに突然出現するポータル(磁場によって空間にあいた穴)の存在を認めており、オカルト界隈ではそれが異次元に通じているのではないか?宇宙人がワープに利用しているのではないか?という噂も飛び交っています。太陽には未だ多くの謎が残されているのです。不思議な構造物が存在する謎多き火星については関連記事でまとめています。

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出典:wikipedia

 

いかがでしたか?あまりに特殊で巨大すぎる天体であることから研究が進んでおらず、太陽には未だ多くの謎が残されています。消えたリングに巨大UFO、そして宇宙空間に突如現れるポータル。その謎が解き明かされる日は来るのでしょうか?