プテラノドンの生態と絶滅の秘密!飛べなかったって本当なの?

プテラノドン


最も有名な翼竜「プテラノドン」。太古の空を支配していた巨大生物にはロマンあふれる秘密がいっぱいです。
今回はプテラノドンの生態や名前の秘密、驚くべき「空を飛べない説」などをご紹介します。

 
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プテラノドン

①プテラノドンとは?

プテラノドンは今から約9000万~7500万年前の白亜紀の地球に生息していた翼竜の一種です。よく勘違いされますが翼竜は飛行能力を特化させて進化した爬虫類なので、正確には恐竜ではありません。

プテラノドンとは?
画像:Swordlord3d

プテラノドンは北アメリカの広域や日本の北海道でも化石が見つかるメジャーな種であり、世界で最も有名な翼竜として知られています。恐竜や古生物に詳しくない人でもプテラノドンの名前くらいは知っているのではないでしょうか。

 

②プテラノドンの名前の由来は?

プテラノドンの名前には「歯がない翼」という意味があります。口には歯がなく大きく尖ったクチバシを持っていることが名前の由来です。映画などのSF作品に登場するプテラノドンには鋭い歯が生えているものが見受けられますが、実際には発達したクチバシを持っていました。

プテラノドンの名前の由来は?
画像:tuomaskoivurinne

プテラノドンは魚などを捕らえて食べていたといわれており、他の肉食生物のような鋭い歯は必要なかったと考えられています。

 

③プテラノドンの大きさは?

プテラノドンは大きいものでは翼を広げた長さが最大で9メートルにまで成長しました。これは現生最大の翼開長を持つワタリアホウドリの三倍にもなる大きさで、一般的な路線バスの長さを上回ります。このような巨大な生物が空を飛んでいたというのですから太古の空は想像を絶します。

プテラノドンの大きさは?
画像:Wanderer768

しかし、プテラノドンは翼竜の仲間の中では特別大きい種ではありませんでした。史上最大級の飛行生物である翼竜のケツァルコアトルスなどは翼開長が12メートルに達し、体高は5メートルと現生のキリンと同程度の大きさでした。プテラノドンやケツァルコアトルスの飛び交った太古の空は現在とは全く違う光景だったに違いありません。

 

④プテラノドンの体重は?

翼竜の仲間は巨大な翼開長に比べると信じられないほど体重は軽量でした。一般的なプテラノドンの体重はおよそ20キログラム程度だったと考えられています。この低体重は空を飛ぶために骨格を空洞状に進化させたことにより可能となっており、翼を支える筋肉なども必要最小限しか発達していなかったと考えられています。

プテラノドンの体重は?
画像:Jaredr122

先述した最大級の翼竜であるケツァルコアトルスでも体重は70キログラム程度だといわれており、巨大な翼開長に似合わない細身の体つきをしていたとされています。そのためプテラノドンやケツァルコアトルスなどの翼竜の仲間は、創作作品で描かれるような大きな獲物を捕まえて空を飛ぶことはできなかったといわれています。

 

⑤プテラノドンの食性は?

プテラノドンは主に魚を食べる魚食性の生物でした。これはプテラノドンの化石の胃袋の位置から魚の化石が多く発見されていることや、クチバシが魚食性に特化して進化していることから間違いないとされています。

プテラノドンの食性は?
画像:Elperdido1965

プテラノドンは体の筋肉が貧弱であったため足で獲物を掴んで飛ぶことはできませんでしたが、現生するペリカンのようにクチバシの下部にある袋状の器官に魚を溜めて巣に持ち帰ったのではないかと考えられています。食事の方法も歯が全く存在しないため、そのまま丸飲みにしていたのだろうといわれています。

 

⑥プテラノドンは飛べないって本当?

ここまではプテラノドンが当たり前のように空を飛んでいた前提で話を進めてきました。しかし、実はプテラノドンには空を飛べなかったとする説が存在します。プテラノドンは現生の鳥と比べてあまりに巨大な体を持っていたため、その飛行能力を疑問視する声が研究者たちから上がったのです。骨格の研究からプテラノドンの体には必要最低限の筋肉しか備わっていなかったこともわかっていました。

プテラノドンは飛べないって本当?
画像:Swordlord3d

しかし、研究が進むにつれて空洞状の骨格からプテラノドンの体重が過去に予想されていたものよりもずっと軽いことがわかってきました。また、プテラノドンの体が飛行に適して進化していたことは明らかであり、現生の鳥と飛行方法は違うにせよ空を飛んでいたことは間違いないとされるようになりました。現在では鳥のように盛んに羽ばたくことはせずに、崖などの高所から上昇気流を利用して飛行していたのではないかと考えられています。プテラノドンの大きく軽い体はグライダーのような役割があったのです。

 

⑦プテラノドンは大量絶滅まで生き残っていなかった?

映画作品などではティラノサウルスと一緒に描かれることの多いプテラノドンですが、実は同じ時代を生きていた事実はありません。この2種類の生物はよく同じ白亜紀後期に生息していたと記述されますが、ティラノサウルスはプテラノドンが絶滅してから600万年も後の地球に誕生しています。プテラノドンは空に適応したことにより一時は繁栄を極めますが、およそ300万年ほどで絶滅してしまうことになりました。

プテラノドン 絶滅
画像:Herschel-Hoffmeyer

恐竜たちを地球上から消してしまった白亜紀末の大量絶滅の頃には、空は原始的な鳥類が支配するようになっていました。翼竜の仲間ではケツァルコアトルスなどの大型の種が生態的ニッチを勝ち取り生存していましたが、小型から中型の翼竜の多くは鳥類との生存競争に勝つことができませんでした。恐竜たちを死滅させる環境の急激な変化が起きた際には、プテラノドンはすでに地球上に存在していなかったのです。

出典:wikipedia
画像:WillDynamo55

 

いかがでしたか?最も有名な翼竜プテラノドンをご紹介しました。バスほどの翼開長を持つ大型の生物が飛行していた太古の空。現在に生きる私たちには想像もできません。