今さら聞けないニコラ・テスラ!マッドサイエンティストの逸話と真実

二コラ・テスラ


狂気の科学者のイメージが強い発明家「ニコラ・テスラ」。このニコラ・テスラとは一体どのような人物だったのでしょうか?

今回はニコラ・テスラの逸話と名言、霊界や都市伝説との関係をご紹介します。
 
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ニコラ・テスラ

①ニコラ・テスラとは

ニコラ・テスラは1800年代後半から1900年代前半にかけて活躍した発明家です。彼は天才的な頭脳と革新的な発想から数多くの発明と技術革新を起こしており、現代文明にも多大な影響を与えています。

ニコラ・テスラとは
画像:Nikola Tesla

しかし、ニコラ・テスラの思想はあまりに時代を先取りしていたため、彼が生きた時代では理解されない研究もありました。また、晩年にはオカルトに興味を示していたため、日本では「狂気の科学者」として扱われることも少なくないようです。

 

②ニコラ・テスラの主な発明

ニコラ・テスラは現在にも残る数多くの発明をしています。ここではニコラ・テスラの発明の中でも特に有名なものをご紹介します。

①交流電流

ニコラ・テスラの功績の中でも特に有名なのが、「交流電流」の普及です。ニコラ・テスラが交流電流を推奨する以前は、発明王エジソンの会社が「直流電流」で電気システムを展開していました。

交流電流
画像:pixabay

しかし、ニコラ・テスラが交流電流の安全性と運用コストの安さを証明することで、より安くより安全に電気の運用が可能になったのでした。電気を中心として発達した現代文明は、ニコラ・テスラの貢献によって成されたと言っても過言ではないのです。

 

②ラジオ

最近では使われることの少なくなったラジオですが、これもニコラ・テスラが最初に発明したといわれています。現在、ラジオの発明者はイタリア生まれの発明家グリエルモ・マルコーニであるとされています。

しかし、グリエルモが特許を取得するよりも先にニコラ・テスラがラジオを発明したことが裁判で証明されています。

ラジオ
画像:pixabay

ところがアメリカの特許庁はニコラ・テスラのラジオ発明特許を認めず、グリエルモを発明者であるとしたのです。これはグリエルモの支援者にエジソンなどの発明家がいたことや、ニコラ・テスラが国にラジオの使用料を請求していたことが原因だといわれています。

 

③電動モーター

ニコラ・テスラは電気で動く電動モーターも発明しています。この電動モーターは工業機械や建築機械などでも活用され、多くの電化製品の発達にも貢献しました。

電動モーター
画像:pixabay

また、バッテリー式電気自動車にも使用され、ニコラ・テスラの名前を取り入れた「テスラモーターズ」という自動車会社も存在します。

 

④遠隔操作技術(リモートコントロール)

遠隔操作はラジオ開発の過程で生まれた技術でした。無線信号と受信機によって有線で繋がっていなくとも機械を動かすことが可能になったのです。

リモートコントロール
画像:pixabay

ニコラ・テスラのこの技術はテレビやエアコンなどの家電製品から、船や飛行機などの運搬機械にまで幅広く活用されています。また、子どもに大人気のラジオコントロール(ラジコン)やドローンは一世を風靡しました。

 

⑤X線(レントゲン)

ニコラ・テスラの発明は医療分野でも活躍しています。彼はレントゲンに使用されるX線の発生機械も発明していました。

X線
画像:pixabay

ニコラ・テスラが発明した機械は電極がひとつしかないもので、現在のX線発生機械とは別物でした。しかし、それが現在使われているX線の基本原理を築いたのです。

私たちの健康はニコラ・テスラの発明によっても支えられているのです。

 

③ニコラ・テスラは天才だった

後世に数々の発明品を遺したニコラ・テスラは子どもの頃から「神童」と呼ばれる天才でした。ニコラ・テスラは電気技術以外にも8つの言語を習得しており、哲学や音楽の才能まであったのです。

ニコラ・テスラ 天才
画像:Nikola Tesla

しかし、ニコラ・テスラが天才に育ったのは幼くして亡くなってしまった兄の影響が大きかったといわれています。兄のデンはニコラ・テスラ以上の天才で、周囲の誰からも期待される存在でした。

ところがデンが亡くなったためにその期待は弟のニコラ・テスラにのしかかることになったのです。彼は兄が亡くなった頃から幻覚を見るようになったといわれていますが、その原因は兄を亡くした悲しみだけではなかったようです。

 

④ニコラ・テスラはエジソンに勝利している

ニコラ・テスラは発明王のエジソンにも勝利しています。大人になったニコラ・テスラは当時の発明の最先端であったエジソンの会社で働きました。

しかし、エジソン社で使用されていた直流電流に疑問を呈し、結果的に給料未払いのまま解雇されてしまいます。

ニコラ・テスラ エジソン
画像:pixabay

その後、ニコラ・テスラは独立してテスラ電灯社(Tesla Electric Light Company)を立ち上げ、交流電流の優位性を訴えることになります。このニコラ・テスラとエジソンの対立は「電流戦争」と呼ばれ、最終的にはコスト面と安全面で優れていた交流電流を支持したニコラ・テスラが勝利しています。

エジソンはこの敗北がきっかけで出資者のジョン・モルガンにも見放され、エジソン社を追い出されることになってしまいました。ちなみにモルガンはニコラ・テスラの出資者にもなっています。

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⑤ニコラ・テスラは幼い頃から精神疾患を患っていた

天才といわれるニコラ・テスラですが、幼い頃から精神疾患を患っていたことがわかっています。彼は幻覚の他にも妄想や強迫観念に苦しめられました。

ニコラ・テスラ 精神疾患
画像:Nikola Tesla

また、大人になってからは強度の潔癖症になり、その症状は病的と言えるレベルだったのです。このような症状もニコラ・テスラが狂気の科学者と呼ばれる原因になったといわれています。

 

⑥ニコラ・テスラはモテモテだったが結婚せず独身を貫いた

数多くの精神疾患に苦しめられたニコラ・テスラでしたが、意外なことに女性に大変モテたといわれています。彼は頭脳明晰で穏やかな雰囲気を持っており、何より端正で整った顔をしていました。

ニコラ・テスラ 独身
画像:Nikola Tesla

そのため彼に交際を申し込む女性はかなり多かったといわれています。しかし、ニコラ・テスラは一度も結婚することはなく、生涯を通して独身を貫きました。

その原因は天才特有の彼の変わった性格だったといわれています。天才たちの類にもれず、ニコラ・テスラも変人だったのです。

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⑦ニコラ・テスラは出資者の娘に手を出した

生涯独身だったニコラ・テスラですが、決して女性に興味がなかったわけではありません。彼はエジソンのパトロンであり、自身にとっても重要な出資者だったジョン・モルガンの娘に手を出しています。

ニコラ・テスラ 娘
画像:J. P. Morgan

その後、モルガンはニコラ・テスラへの出資を打ち切っていますが、その原因は娘との交際にあったのではないかといわれています。これにより彼は資金が不足し、いくつもの研究を中断せざるを得なくなりました。

ニコラ・テスラは彼にとって大切なパトロンと恋人を同時に失ってしまったのです。

 

⑧ニコラ・テスラの「テスラコイル」とは

テスラコイルはニコラ・テスラが発明した高周波、高電圧を発生させる共振型変圧器です。このテスラコイルはふたつのコイルを共振させることで、高周波と高電圧を放出することができました。

テスラコイル
画像:wellcomeimages

ニコラ・テスラはこのテスラコイルにより、無線での電気供給を可能にしようと考えます。そして、実験の結果200個もの電球を電線なしで点灯させることに成功したのです。

このテスラコイルはニコラ・テスラの発明の中でも特にインパクトの強いもので、作動時には激しく稲妻を発生させました。それに由来して彼は「稲妻博士」と呼ばれるようになったのです。

 

⑨ニコラ・テスラの「世界システム」とは

世界システムはニコラ・テスラが提唱したエネルギーと情報の伝達システムです。彼はテスラコイルによって発生する高周波と高電圧を使って、地球上のすべての地域に電気エネルギーと情報を伝達することができると考えました。

世界システム
画像:Wardenclyffe Tower

人類のエネルギー問題を解決できるこの世界システムは多くの出資者から評価され、ニコラ・テスラは研究資金を手に入れることができました。しかし、グリエルモ・マルコーニが太平洋を挟んだ無線通信に成功してしまったことや、予想以上に資金が必要になったことから研究は中断されてしまいます。

ニコラ・テスラの世界システムには健康上の問題もあるともいわれていますが、彼がやろうとしたことは時代を先取りした人類の問題解決だったとして現在でも一定の評価を受けています。

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⑩ニコラ・テスラは反重力システムも構想していた

ニコラ・テスラは何と反重力システムも構想していたといわれています。彼は周囲に電気エネルギーによって物体を浮遊させる方法を発見したと話していました。

ニコラ・テスラ 反重力
画像:pixabay

そして、この技術を応用して翼や燃料の要らない飛行機械を作成することが可能だと提案していたのです。ニコラ・テスラのこの構想は資金などの関係で実現されることはありませんでした。

しかし、もし彼がいうことが事実であれば、現在でも研究され続けている反重力システムが既に完成していたのかも知れないのです。

 

⑪ニコラ・テスラの都市伝説「フィラデルフィア計画」

ニコラ・テスラには有名な都市伝説が存在します。それは彼が責任者となって行われたとされるアメリカ軍の「フィラデルフィア計画」です。

当時のアメリカはレーダーに映らないステルス戦闘機の研究を進めていました。そして、その一環としてテスラコイルによる軍艦の地磁気消滅実験が行われたのです。

テスラコイルを起動すると計画どおり戦艦はレーダーから姿を消しました。しかし、レーダーだけでなく戦艦自体も姿を消してしまったのです。

フィラデルフィア計画
画像:USS Eldridge DE-173 ca

戦艦は2,500kmも離れた海域に瞬間移動し、数分後もといた場所に再び姿を現しました。驚いた研究者たちが船内を調べるとそこには惨状が広がっていました。

乗組員たちの体がまるで船の一部のように船体と同化していたのです。また、体の一部だけ透明になっている乗組員まで存在したといいます。

この都市伝説はカルロス・マイケル・アレンデという人物から告発の手紙が送られたことで世界中に知られるようになりました。これに対してアメリカ海軍は、実験に使われたとされている戦艦が実験海域に滞在した記録はないと発表しています。

 

⑫ニコラ・テスラは晩年、霊界などのオカルト研究に没頭した

晩年のニコラ・テスラはオカルトを信仰し、霊界などと交信する装置の研究に没頭しました。これは当時の発明家としては特別珍しいことではなく、エジソンも全く同じ研究に傾倒しています。

ニコラ・テスラ 霊界
画像:rarehistoricalphotos

しかし、ニコラ・テスラがもともと狂人と呼ばれていたことや、インパクトの強いテスラコイル、都市伝説のフィラデルフィア計画などと一緒に語られることで、現在ではオカルト的なイメージが強い人物になってしまいました。

そのため日本では発明家としてではなく、オカルトとしてのニコラ・テスラの方が有名になっています。

 

⑬ニコラ・テスラは「マッドサイエンティスト」と呼ばれた

上記の理由から現在ニコラ・テスラはマッドサイエンティスト(狂った科学者)の代名詞とされています。また、稲妻博士の愛称からマンガやゲームのキャラクターとして使われることもあるようです。

ニコラ・テスラ マッドサイエンティスト
画像:freedomtek

しかし、ニコラ・テスラは決してマッドサイエンティストなどではなく、革新的な発想を現実に変える優れた発明家だったのです。彼は自然を愛し、本当の発明とは人類だけでなく環境にも優しいものだと提唱しました。

また、世界システムも全ての人類の発展のために構想されたものだったのです。ニコラ・テスラは決して狂った科学者などではなく、後世の発展に努めた真の科学者だったのです。

 

⑭ニコラ・テスラの名言・格言

天才発明家であるニコラ・テスラは数多くの名言を残しています。ここではニコラ・テスラの名言・格言の中から特に有名なものをご紹介します。

ニコラ・テスラの名言・格言①

天才とは、

1%のひらめきと

99%のムダな努力だ。

(エジソンを皮肉って発言)

 

ニコラ・テスラの名言・格言②

直感は知識を超越する。

私たちの頭の中にある驚異的な組織に比べれば、

いかなる論理や計画も取るに足らない。

 

ニコラ・テスラの名言・格言③

私は早急に物事を進めたりはしない。

先ずは頭の中で思考し、実践するのだ。

実際に行うのも思考するのも大した差はない。

 

ニコラ・テスラの名言・格言④

発明の本質とは、

人類の役に立ちながら、

物質を超越した精神の支配を得ることだ。

 

ニコラ・テスラの名言・格言⑤

結婚した発明家に偉大なものは作れない。

その情熱や愛をすべて女性に与えてしまうからだ。

 

ニコラ・テスラの名言・格言⑥

現在は彼らのものでも、

未来は私のものである。

 

出典参考:wikipedia
画像:neopulp

 

いかがでしたか?狂気の科学者と呼ばれるニコラ・テスラについてご紹介しました。ニコラ・テスラには実現させたかった構想が他にもあったといわれています。

十分な資金と時間があれば彼は何を生み出していたのでしょうか?世界にはまだまだロマンが溢れています。