最強の海棲爬虫類モササウルス!その大きさや生態に迫る

モササウルス


白亜紀の海最強の生物モササウルス。太古の海の王者モササウルスは非常にロマンあふれる古生物です。
今回はモササウルスの生態やその大きさ、意外な出産方法などをご紹介します。

 
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モササウルス

①モササウルスとは?

モササウルスとは今から約8000万~6500万年前の白亜紀の海に生息していた海棲の大型爬虫類です。巨大な体を持つ強力な捕食者であり、当時の海の生態系の頂点に君臨する生物でした。大きな胴体に細身の体付きをしており、尾びれと胸びれ水中での生活に適応して発達していました。また、体に対して非常に大きな顎を持っており、その力は狩りの際に遺憾なく発揮されました。

モササウルスとは
画像:SporemasterHIMPO

 

②モササウルスの大きさは?

モササウルスの体長は最大で18メートルにまで達したと考えられています。これは現生する平均的なホオジロザメの約5倍もの大きさになり、世界最大の魚として知られているジンベエザメと比べても1.5倍の大きさがありました。

モササウルスの大きさは?
画像:Alexanderlovegrove

クジラなどの大型海洋生物は身体が大きくなるにつれて小さな魚を海水ごと飲み込む比較的穏やかな(?)狩りのスタイルをとりますが、モササウルスはクジラほどの巨体でありながら積極的に大型の生物を襲って捕食していました。また、体重は40トンにまで成長したのではないかといわれています。

 

③モササウルスの食性と生態的地位

モササウルスが生息していた白亜紀以前の海では首長竜などの海棲爬虫類や大型の肉食魚が生態系の頂点に位置していました。彼らは中型の海洋生物を餌としており、その生存競争は非常に厳しいものでした。そこで原始的なモササウルスの仲間は中型の生物を奪い合うのではなく、大型の生物を捕食するという道を選びます。

モササウルスの食性と生態的地位
画像:Olorotitan

こうしてモササウルスは大型の海洋生物を捕食する大型海洋生物という生態的地位を築いたのでした。この選択は功を奏し、どんどん巨大化したモササウルスは白亜紀後期には生態系の頂点に君臨することになりました。

 

④モササウルスの泳ぐ速さは?

以前までモササウルスはその巨体からあまり早く泳ぐことはできず、岩陰などに身を潜めて獲物を待ち伏せし奇襲をしかける狩りのスタイルをとっていたはずだといわれていました。しかし、研究が進むにつれてモササウルスが非常に発達した尾びれと胸びれを持っていたことがわかってきたのです。

モササウルスの泳ぐ速さは?
画像:DAZZY-P

このことからモササウルスは積極的に獲物を追いかけて捕食していたのではないかといわれるようになりました。モササウルスの泳ぐ速さを正確に予想することは難しいですが、獲物となっていた大型の海洋生物が時速40キロメートルほどで泳いでいたと考えられることからそれ以上の遊泳力を持っていたといわれています。

 

⑤モササウルスの歯

モササウルスの歯は先端が丸みを帯びた形状になっており、獲物を切り裂くだけでなく噛み砕くのにも適していたことがわかっています。このことからモササウルスは大型の爬虫類や魚類だけはなく、アンモナイトなどの殻を持った生物まで殻ごと捕食していたと考えられています。また、歯は二列構造になっており、一度咬み付かれた獲物は逃げることができないようになっていました。

モササウルスの歯
画像:pyroraptor19

 

⑥モササウルスの出産方法は?

モササウルスの出産方法は哺乳類と同じ胎生であったとされています。幼生のモササウルスの化石が海洋の地層から発見されたことからモササウルスは陸上で卵を産むのではなく、ある程度子供を体内で育ててから海中で出産していたと考えられています。

モササウルスの出産方法は?
画像:tuomaskoivurinne

この出産方法を選んだことでモササウルスは体をより海洋の生活に最適化していくことができました。この出産方法もモササウルスが繁栄に成功したひとつの要因なのかも知れません。

 

⑦モササウルスの化石には襲われた痕が多い?

モササウルスの化石は西ヨーロッパや北アメリカ大陸をはじめ日本の北海道や大阪府などでも見つかっています。モササウルスの化石には何者かに襲われたものとみられる傷跡が残っているものが多く、それが治癒した形跡もあることから日常的に攻撃されることもあったようです。

モササウルスの化石には襲われた痕が多い?

画像:shibito2501

これは仲間同士での縄張り争いによるものだった可能性が高いとされており、同種同士でも攻撃し合う非常に獰猛な生物であったことがわかります。

 

⑧モササウルスは当時の海で最強だったのか?

モササウルスは現代でいうところのサメのような生態的地位の生物でした。現生のサメは軟骨魚であるためシャチなどの大型海洋哺乳類に比べて弱いといわれることがありますが、モササウルスは頑丈な骨格を持っています。獰猛な性格と強靭な顎、巨体に似合わない優れた遊泳力を持つモササウルスは当時の海では最強の捕食だったに違いありません。

モササウルスは当時の海で最強だったのか?
画像:PaleoPastori

そんなモササウルスも白亜紀後期に起こった大量絶滅により恐竜や他の古生物たちと一緒に地球上から姿を消すことになりました。海の王者モササウルスも急激な環境変化には対応することができなかったのです。

出典:wikipedia
画像:Anders

 

いかがでしたか?太古の海の王者モササウルスについてご紹介しました。獰猛な巨大生物が泳ぎ回る太古の海。その海を我が物顔で泳ぐ王者モササウルス。一度でいいからその勇猛な姿を実際に目にしてみたいものです。