たくさんの流星が降り注ぐロマンチックな天体現象「流星群」。好条件で観測する流星群は美しく、天体ファンならずとも一度は観ておきたい天体現象であるといえます。
今回は2017年に観測できる流星群の一覧と見つけ方のポイント、その発生条件などをご紹介します。
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目次
流星群
2017年に観測できる流星群の一覧
2017年には有名なしぶんぎ座流星群(1月)やペルセウス座流星群(8月)が好条件で観測することができます。また、ここ数年の中ではベストとはいえないもののふたご座流星群(12月)の観測にも適しています。
画像:Leónidasde las tormentas de lacha
この他にも2017年には様々な流星群を肉眼で観ることが可能です。多数の流星が流れる光景はとても幻想的なものです。正しい観測時期と方法を知って今年は天体観測に出掛けましょう!
ここでは2017年に観測可能な流星群をご紹介します。
1月 しぶんぎ座流星群
1月の有名な流星群「しぶんぎ座流星群」は、4日の0時頃に活動が極大(ピーク)になります。そのため3日の深夜から4日の朝方までの時間が観測に適しているといえます。
また、しぶんぎ座流星群は観測できる流星の数が非常に多いため、特に注視しなければならない方角はありません。強いていえば暗い空の方が流星を見つけやすいため、月が出ていない側の空を観るのが良いでしょう。
画像:Amedee Guillemin
しぶんぎ座流星群は一時間に40個もの流星を降らせます。1月の夜は冷え込むため防寒着をしっかり着込んで、新年の流星に思いを馳せましょう。
4月 こと座流星群
4月には「こと座流星群」を観測することが可能です。2017年のこと座流星群は4月16日~25日に観測することができ、22日の22時頃に極大を迎えます。
月齢などの条件も良く、晴れてさえいれば綺麗な流星群を観測できるはずです。
流星群の観測には月明かりが大きく関わっており、あまりに月が明るいと流星を肉眼で見つけることが難しくなってしまいます。晴れた空とある程度暗い月が流星観測の条件になってくるのです。
こと座流星群を観測する際の方角も特に決まっていないため、月が出ていない側の空を観測すると良いでしょう。4月の夜はまだまだ寒いので防寒着を忘れないように注意しましょう。
こと座を形成する恒星ベガ、アルタイル、デネブについては関連記事にまとめています。
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5月 みずがめ座η流星群
5月には「みずがめ座η流星群」という流星群を観測することが可能です。みずがめ座η流星群はおよそ1ヵ月ものあいだ観測することができる流星群であり、2017年の極大は5月6日になります。
画像:Navicore
しかし、活動のピークは昼間になってしまうため、観測するなら日付が変わった6日の0時から朝方までが良いでしょう。みずがめ座η流星群の方角に関しては他の流星群と変わらず、月が出ていない側の暗い空が適しています。
6月 うしかい座流星群
6月には「うしかい座流星群」の活動が極大を迎えます。しかし、2017年のうしかい座流星群は条件が悪く、肉眼で観測することは難しそうです。
画像:pixabay
望遠鏡を持っている方であればうしかい座方面から放射状に流れる流星を確認できるかも知れません。肉眼でのみ観測する方は来年以降に期待しましょう。
7月 みずがめ座δ流星群
7月になると夏を代表する流星群のひとつ「みずがめ座δ流星群」を観測することが可能です。みずがめ座δ流星群の観測のピークは26日の23時頃から明け方までになります。
また、方角は関係ないため、月明かりが少ない暗い空を見つけて観測してみてください。この時期には「やぎ座流星群」も極大を迎えるため、いつもより明らかに多数の流星を観ることができると思います。
2017年のみずがめ座δ流星群は観測条件が非常に良好です。夏休みに入っている時期ですし、自由研究の課題としてみずがめ座δ流星群を観測してみるのも良いかも知れません。
その際には8月のペルセウス座流星群も合わせて観測するのがおすすめです。
8月 ペルセウス座流星群
8月に入ると有名な流星群のひとつ「ペルセウス座流星群」を観測することができます。2017年のペルセウス座流星群は月が明るいため、例年に比べるとあまり観測条件が良いとはいえません。
しかし、できるだけ暗い場所で観測することで肉眼でも流星を観ることはできるはずです。
画像:eso
ペルセウス座流星群の観測のピークは12日の22時頃から明け方までのあいだです。また、方角を気にする必要はないため、できるだけ暗い場所で暗い空を探して流星を待ちましょう。
ペルセウス座流星群では1時間に20を超える流星を見つけることができますが、運が良ければ7月のみずがめ座δ流星群や、やぎ座流星群の残り星も一緒に観測することができます。
10月 オリオン座流星群
10月には「オリオン座流星群」という流星群が好条件で観測できます。2017年のオリオン座流星群は21日の20時頃が活動のピークになり、月も非常に暗いため綺麗な流星の観測が期待されます。
画像:John Flannery
今年のオリオン座流星群は20時という比較的早い時間に観測することができるため、家族で流星を探しに出掛けるのもいいかも知れません。オリオン座流星群もやはり観測の方角は決まっておらず、空のどの位置でも流星が流れる可能性があります。
オリオン座を形成する恒星ベテルギウスについては関連記事にまとめています。
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11月 しし座流星群
11月には2002年の極大で有名になった「しし座流星群」を観測することができます。2002年以降盛んな活動を見せていなかったしし座流星群ですが、2017年には近年稀にみる観測の好条件が揃っています。
画像:NASA
今年のしし座流星群は18日の1時頃が観測のピークとされており、方角も特に決まっていません。好条件が整った数年ぶりのしし座流星群ですので是非観測に出掛けてみましょう。
12月 ふたご座流星群
12月には有名な「ふたご座流星群」が極大を迎えます。一年の最後を締めくくるふたご座流星群ですが、2017年の観測条件は決してベストとはいえません。
しかし、悪条件ともいえないため天気が良ければ肉眼でもちゃんと流星を確認できるはずです。
今年のふたご座流星群の極大は14日の昼過ぎ頃であるため、最も活動が盛んなタイミングで流星群を観ることはできません。夜に観測するなら13日の夜から明け方にかけてか、14日の夜から明け方までの時間が良いでしょう。
方角については月の明るさが邪魔にならない場所であれば、全方角で観測することができるはずです。今年最後の流星群を是非観測しに出掛けてみてください。
流星群を肉眼で観測するためのポイントは?
望遠鏡を使わずに肉眼で流星群を観測する場合、流星を綺麗に観るためにいくつかのポイントが存在します。せっかく流星群を探しに出掛けるのですから、流星観測のポイントしっかり押さえておきましょう。
ここでは流星群を肉眼で観測するためのポイントをご紹介します。
①できるだけ暗い場所で観測する
流星群の明かりは街明かりに比べて小さく暗いため、できるだけ街灯の光が届かない暗い場所で観測する必要があります。
画像:pixabay
また、月明かりも流星群の観測を邪魔してしまうため、街灯や月に背を向ける形で観測することがポイントなのです。
②できるだけ広い場所で観測する
暗い場所であっても木や建物などで視界が狭くなってしまうと流星群を観測することが難しくなってしまいます。
画像:pixabay
流星群は一か所に固まって降るわけではなく広範囲にわたって流れるため、できるだけ空を広く見渡せる場所で観測することがポイントになります。
③暗闇に目を慣らす
流星群を観測するなら暗闇に目を慣らす必要があります。これは流星群に限らず他の全ての星を観測する際のポイントでもあります。
画像:pixabay
しばらく目を閉じてみたり、暗い空を眺めて暗闇に目を慣らすことができれば、流星の光を見つけやすくなります。スマートフォンなどの明かりは天体観測の妨げになるため、決して見てはいけません。
④10分程度は観測する
流星群と聞くと絶え間なく流星が降り注ぐようなイメージを受けますが、特に活発な流星群でも1時間に40個ほどしか星を降らせません。
画像:pixabay
単純に計算しても流星と流星のあいだには1分30秒も間隔が開くことになります。たくさんの流星が流れる流星群を実感したいのであれば数分程度ではなく、少なくとも10分以上は空を観察する必要があるでしょう。
これでも普段の流れ星に比べれば異常ともいえるほど短い間隔なのです。
そもそも流星群とは?
流星群とは夜空に放射状の流星が複数通り過ぎる現象を指す言葉です。流星は「流れ星」と呼ばれることもありますが、このふたつは基本的に同じ意味の言葉です。
画像:Leónidasde las tormentas de lacha
流星群は複数の流星が同時期に観測できる天体現象であり、流れ星自体が縁起の良いものとされていることから天体観測の中でも特に人気の高い天体現象です。
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流星群にも種類がある?
流星群はその性質からいくつかの種類に分けられています。一年のうち毎年同じ時期に観測できる流星群は「定常群」と呼ばれており、当記事で紹介したものの多くはこれに当たります。
画像:nps
また、毎年ではないものの一定期間毎に観測できる流星群は「周期群」と呼ばれ、しし座流星群などがこれに該当します。他にも何らかの理由で突然出現する流星群には「突発群」という名前が付けられています。
流星群が発生するメカニズムは?
流星群の発生は太陽系内を周回する彗星と深く関わっています。彗星は太陽の周りを回っていますが、その際に塵(ちり)などの粒子をまき散らしています。
この粒子は彗星の軌道上に漂い、地球の公転軌道と重なります。そこを地球が通過すると粒子が大気と衝突してプラズマが発生し、まばゆい光を放つのです。
画像:NASA
彗星や地球の公転軌道は大きく変化することがないため、一定期間ごとに地球が粒子を通過し、定常群や周期群を発生させるというわけです。
また、彗星が放出する粒子の量は一定ではなく、常に変化しています。そのため、しし座流星群のようにある時期に大量の流星が発生することがあるのです。
流星群には何故星座の名前が付けられるのか?
多くの流星群にはこと座流星群やオリオン座流星群というように星座の名前が付けられています。しかし、オリオン座を形成する星々は彗星ではなく太陽と同じ恒星です。
そのため、オリオン座の星々がオリオン座流星群の元となった粒子を発生させているわけではありません。それでは何故このような名前が付けられているのでしょうか?
画像:popularsciencemo18newy
実は流星群の名前には流星が降ってきた元の方角にある星座の名前を付けるというルールがあります。つまり、オリオン座流星群はオリオン座の方角から飛んできたためにこのような名前が付けられたのです。
しかし、流星群研究初期に発見されたものの中には例外もあり、「ジャコビニ流星群」など直接彗星の名前を付けられた流星群も存在しています。
三大流星群とは?
流星群には「三大流星群」と呼ばれるものが存在しています。しぶんぎ座流星群、ペルセウス座流星群、ふたご座流星群がこれに当たります。
三大流星群は毎年世界中から安定して観測することが可能です。
画像:pixabay
三大流星群は規模が大きく流星の数も多いため、流星群を観測したいと思ったらこの3つに合わせてスケジュールを組むのがおすすめです。
いかがでしたか?多数の流星が降り注ぐ天体現象、流星群についてご紹介しました。今年はあなたも流星群を観測しに出掛けてはいかがでしょうか。