世界各地に伝説が残る「人魚」。この人魚は本当に存在しているのでしょうか?
今回は本当は怖い人魚の伝説とその正体についてご紹介します。
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目次
人魚
人魚とは
人魚とは人間の上半身と魚の下半身を持つとされる伝説上のUMA(未確認生物)です。女性のイメージの強い人魚ですが、男性の人魚も存在するとされています。人魚伝説は主にヨーロッパを中心に語り継がれてきましたが、日本や中国にも伝承は存在しています。現在では人魚は世界でもっと有名なUMAのひとつといえるでしょう。
人魚の姿
主にヨーロッパで語られる人魚は人間の上半身と魚の下半身を併せ持つ不思議な姿をしています。また、人魚は容姿がとても美しいとされており、特に女性はプリンセスに形容されるほどの絶世の美女だといわれています。国によっては「半魚人」のような上半身と下半身の区別がなく、人間と魚が混ざったような姿をした生物も人魚と呼ばれますが、日本ではこれらを区別するのが一般的になっています。
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あまり知られていませんが古くから日本で伝承されてきた人魚伝説の中には、人間と魚だけでなく動物と魚が混合した姿で描かれるものも存在します。また、中国の地理書「山海経」では人魚は人間ではなく山椒魚(サンショウウオ)に似た姿をしていると記述されています。同じ人魚伝説でも語られる地域によって全く異なる姿をしているのです。
人魚の名前と種類
人魚は英語圏では「マーフォーク」と呼ばれています。これは特に男女の区別なく人魚全体を指す言葉で、日本でいうところの「半魚人」もこれに含まれています。
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また、性別によって区別する際には女性の人魚は「マーメイド」と呼ばれ、男性の人魚は「マーマン」と呼ばれます。これらはすべてラテン語で海を意味する「マー(mare)」に由来しています。日本ではマーメイドの呼び方が一般的かも知れませんね。
人魚の伝説
世界各地には数多くの人魚伝説が存在しています。ここでは人魚伝説の中でも特に有名なものをご紹介します。
①セイレーン
セイレーンはギリシア神話に登場する伝説の人魚です。人魚に羽の生えた姿や鳥の下半身を持つ鳥人の姿で描かれることもあり、船を遭難させる恐ろしい怪物であるといわれています。セイレーンはとても美しい歌声で船人たちを惑わし、船を難破させてしまいます。そして、歌声に聞き惚れ近づいてきた人間を襲って食べてしまうのです。
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②ローレライの人魚
ローレライはドイツのライン川流域にある大きな岩山です。このローレライには人魚が出没するという逸話が存在しており、岩山に現れた人魚の歌声によって多くの船が遭難したと語り継がれています。ギリシア神話のセイレーンと非常によく似た伝説ですね。
③メロウ
メロウはアイルランドで語られる伝説の人魚です。メロウは上半身が人間で下半身が魚という一般的な人魚の姿をしているとされていますが、男性の人魚は恐ろしく醜い顔をしているという特徴があります。
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また、メロウが出没すると天変地異が起こるといわれており、アイルランドでは不吉の象徴として扱われてきました。メロウは人間とのあいだに子どもを作るともいわれており、生まれてきた子どもの手には水かきがあるとされています。
④ハルフゥ
ハルフゥはノルウェーに伝説が残る人魚です。男性のハルフゥは先述した人魚たちとは違い人間に友好的であるといわれています。
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しかし、女性のハルフゥは天変地異を引き起こすとされており、目撃した者の村に不幸をもたらすとされています。ハルフゥは他の人魚とは違い未来を見通し予言する力があると伝承されています。
⑤八百比丘尼(やおびくに)
八百比丘尼は人魚の肉を食べたことで不老不死の力を手に入れたと語り継がれている日本の女性です。不老不死のために身寄りを失った八百比丘尼は出家して尼になり、全国を旅して回ったといわれています。通信手段の乏しかった昔の日本において何故か全国で不老不死の女性の伝説が残っており、これが八百比丘尼であるとされています。
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⑥絵本小夜時雨の人魚
江戸時代の書物「絵本小夜時雨」の中にも人魚が登場しています。この人魚は1800年に大阪で釣り上げられました。しかし、釣り上げられた人魚は上半身ではなく顔だけが人間の人面魚に近い生物であったと記録されています。人面魚は1メートルに満たない大きさしかなく、幼児のような泣き声を上げたといわれています。
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⑦洽聞記の人魚
中国の書物「洽聞記」に登場する人魚は絶世の美女であったとされています。髪はなめらかで美しく、下半身の鱗には細い毛が生えていました。当時の人々は人魚と結婚するために、現在の東シナ海にまで出向いて美しい人魚を探して回ったといわれています。
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⑧李鏡殊の人魚
李鏡殊は韓国や朝鮮に伝承される人魚伝説の主人公です。あるとき李鏡殊が海に出て漁をしていると、どこからともなく美女が現れて海底の神殿に連れて行かれました。そして手土産として不老不死の効果があるという「人魚の肉」を渡されたのです。しかし、持ち帰ったこの肉を知らずに李鏡殊の娘が食べてしまいました。
娘が不老不死になった後も数百年はその存在は確認されていましたが、その後行方がわからなくなってしまったといいます。李鏡殊の人魚伝説は浦島太郎に通じるところがあり、娘は日本の八百比丘尼のモデルなのではないかという説も存在します。
⑨ニューアイルランド島のリー
パプアニューギニアにあるニューアイルランド島にはリーと呼ばれる人魚伝説が存在します。リーは一般的な人魚の姿ではなく、人間と魚が混合した半魚人の姿をしているといいます。
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ニューアイルランド島には複数の村でそれぞれ違った人魚伝説が存在しますが、伝承される人魚はすべて半魚人であるとされています。
人魚の正体は?
世界各地に様々な人魚伝説が存在することがわかりましたが、これらの伝説の元となった人魚の正体は一体何なのでしょうか?ここでは人魚の正体だと考えられているものの中から特に有名な説をご紹介します。
①創作説
多くの人魚は生物というよりも神話の怪物に近く、生物の常識からかけ離れた能力を持っています。美しい歌声で人を誘惑したり、嵐などの天変地異を起す力というのがそれに当たります。
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そのため人魚の正体は人間による完全な創作や注目を集めるための虚言に過ぎないのではないかとする説があります。なんとも夢のない話ですが、半分人間で半分魚という人魚の異常な姿から考えると仕方のないことなのかも知れません。
②ジュゴン説
人魚とされていた何かしらの生物が実在するならば、現在その正体として最も有力だといわれているのは「ジュゴン」です。ジュゴンは大型の海棲哺乳類であり、遠方で海に浮かぶ姿は伝説の人魚を彷彿とさせます。一部の地域では神聖化され、その肉には神秘的な力が宿っているとされているところも人魚伝説と重なります。
ジュゴンを神聖化している地域ではジュゴンを殺すと不幸が起きるとされていました。そのため野生のジュゴンを守るために人為的に人魚伝説が生み出された可能性もあるようです。
③リュウグウノツカイ説
ジュゴンの他にも魚の誤認が人魚の正体ではないかとする説が存在します。その中でも特に有名なのが幻の魚「リュウグウノツカイ」です。リュウグウノツカイは深海に生息しているため、現在でもその生態がほとんどわかっていません。まだ航海が困難だった時代では現在よりもさらに深海魚は未知の生物でした。
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リュウグウノツカイは細長い体つきをしており、頭部には髪のように長いヒレがありました。また、嵐の前兆で海流が乱れた際には深海から浮上してくることもあるため、人魚が目撃された後に嵐が起こるという伝説にも一致しています。近くで見た場合にはお世辞にも絶世の美女とは言えない点を除けば有力な人魚の正体候補です。
④UMA(未確認生物)説
人魚が創作でもなく既知生物の誤認でもないとしたら、その正体は未だ存在が確認されていない新種の生物かも知れません。地球上のほとんどで開拓が進んだ近代でも、深海は人類にとって未知の領域であり続けています。人魚は深海に適応して、私たち人類に見つからないようにひっそりと生きているのでしょうか?
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残念ながら上半身が人間に酷似している人魚は深海に生息することはできないと考えられています。仮に半魚人のように人間から大きく姿を変えていたとしても栄養の乏しい深海で人魚のように複雑な生物が生息していることは不自然です。人魚のモデルとなった新種の生物が深海に生息している可能性はありますが、人魚自身の実在は難しいというのが実際のところです。
出典:wikipedia
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いかがでしたか?世界各地で伝説が残る人魚についてご紹介しました。火のない所に煙は立たないといいますし、人魚のモデルとなった生物は存在している気がします。それが未だ発見されていない生物なのであれば、彼女たちが日の目を見る日を心待ちにしたいと思います。