地球と同じ太陽系に位置する惑星「火星」。火星は人類の惑星移住の候補になっていたり、太古の昔に知的生命体がいたとされているなど非常に興味深い惑星です。
今回はそんな火星ついて環境や地形、移住計画にピラミッドまでご紹介していきます。
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目次
火星
①火星とは
火星は地球と同じ太陽系の惑星で太陽から四番目の位置を公転しています。地球型惑星に分類されており主に岩石や金属などで構成されている惑星です。火星は赤色に見えることから「レッド・プラネット(赤い惑星)」と呼ばれることもあります。
画像:NASA
②火星が赤色の理由
火星はその表面に海が存在せず、酸化した鉄が含まれる岩石などが地表を覆っています。そのため火星を宇宙から見るときれいな赤色に見えるのです。また、火星の空が赤いというのは探査機が撮影した写真の精度によるもので、実際は地球と同じように青い色をしているそうです。
画像:NASA
③火星の大きさ
火星の直径は6,779 kmほどで質量は地球の1/10ほどしかありません。表面積は地球の1/4ほどですが、これは海洋を除いた地球の陸面積(1.5億km2)と同程度の大きさです。
画像:Scooter20
太陽系最小の惑星である水星と最大の惑星である木星については関連記事でまとめています。
関連記事:太陽が逆行する奇妙な星!未知なる水星の真実
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④火星の重力
火星の重力は地球の40%の3.711 m/s²ほどしかありません。また、火星の重力を計測したところ場所によってバラつきがあり、山脈では重力が大きく、峡谷では重力が小さいことがわかっています。過酷すぎる惑星環境を持つ金星については関連記事でまとめています。
画像:NASA
⑤火星での一日の長さ
火星の自転する時間は地球にとても近く、一日の長さは24時間39分35.244秒です。一日の時間が地球と40分しか違わないため火星は地球人にとって住みやすい星だと考えられており、惑星移住のためのテラフォーミング(惑星地球化計画)の最有力候補となっています。
⑥火星の季節
火星は自転軸を傾けながら公転しているため季節が存在します。また、地球と同じように四季(春夏秋冬)も存在しますが、地球よりも季節による環境変化が大きいといわれています。
画像:pixabay
⑦火星の温度
火星の平均気温はマイナス43℃とかなり低くなっています。また、季節や場所によっての温度変化が激しくマイナス130℃~20℃ほどとバラつきがあります。
画像:pixabay
最高の表面温度は20℃まで上がりますが、基本的には寒冷な気候だといえます。氷の火山を持つ不思議な冥王星については関連記事でまとめています。
⑧火星の大気
火星の大気は非常に薄く、大気圧は地球の0.75%程度しかありません。これは火星の重力が地球に比べて弱いことが原因で、大気の保温効果が低いため先述したような寒冷な気候を作り出すことになりました。
画像:NASA
大気の95%が二酸化炭素であり、他にも窒素や酸素などを含んでいます。保温効果の高い二酸化炭素も低重力のために宇宙空間へ流れ出してしまいます。太陽系最速の風が吹く海王星については関連記事でまとめています。
⑨火星までの距離
地球から火星までの距離はふたつが最も接近するタイミングで8000万kmほどになります。これは約4光分にあたり光の速さで4分あれば到達できる距離になります。
画像:pixabay
高速のロケットで移動した場合は半年あれば火星に行くことができる計算です。意外と近く感じるかも知れません。
⑩火星の地形
火星の北半球には溶岩でできた平原が広がっています。逆に南半球では隕石の衝突などによってできたクレーターが多く存在しており、山や峡谷が広がっています。
画像:pixabay
火星の地表は海や陸として見立てられている部分も多く、アレス峡谷やシレーヌス(セイレーン)の海などギリシャ神話にちなんだ名前が付けられています。ダイヤモンドの海が存在する天王星については関連記事でまとめています。
関連記事:ダイヤモンドの海に長すぎる昼夜!神秘的な天王星の真実
⑪火星の山
火星には標高27kmというとてつもない高さの山「オリンポス山」が存在します。オリンポス山は太陽系最高の山として知られており、タルシス高地と名付けられた高山地帯に位置しています。このタルシス高地にはオリンポス級の山々が立ち並んでいます。ちなみにオリンポス山の名前の由来は、火星がまだ望遠鏡でしか観測できなかった時代にこの山が雪原のように白く見え「オリンピア雪原」と呼ばれていたことに起因します。
画像:NASA
⑫火星の谷
火星には山だけでなく太陽系最大の峡谷も存在します。マリネリス峡谷はその長さが4,000kmにもなり、深さは7kmにも達します。1971年に火星探査機マリナー9号が発見したことからこの名前が付けられました。
画像:NASA
⑬火星の湖
2005年にはマーズ・エクスプレス探査機が火星に存在する巨大な湖を撮影しました。この湖は直径35km、深さ2kmのクレーターに氷が張ったものであることがわかっています。同様のものは火星の様々な場所で発見されていますが、火星では大気の関係から水蒸気圧が非常に小さく直ぐに蒸発してしまうため、存在する水のほとんどは凍った状態となっています。
画像:NASA
⑭火星の水
火星の水の大部分は凍っているといわれていますが、液体の水も存在することがわかっています。火星探査機マーズ・リコネッサンス・オービターが撮影した画像には水が流れる様子が写し出されていました。
画像:NASA
この水は地球に存在するような純粋とは違い水分を含んだ塩のようなものであることがわかっています。これらは海水が蒸発した証拠になると考えられており、地中から地表面に染み出てきたものであると考えられています。巨大なのに水に浮く奇妙な土星については関連記事でまとめています。
⑮火星の生命
液体の水が存在することから火星に生命が存在する可能性は非常に高いといわれています。火星は太古の昔には地球に近い環境であったと考えられており、現在でも微生物などの生命が生息していてもおかしくはないといいます。
これまで火星の岩石や土壌にから生物がいた証拠がいくつか報告されていますが、学術的合意には至っていません。しかし、火星が生命の生息に適した環境であることは間違いなく、地球からの移住計画も進行しています。生命の父ともいえる太陽の謎や特殊な環境は関連記事でまとめています。
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⑯火星への移住計画テラフォーミング
先述したとおり火星は地球に非常に似た環境であることから地球人の移住先として候補に挙がっています。また、オランダの民間営利団体「マーズワン財団」は2025年に向けて火星移住計画を進めており、移住者を一般応募から募っています。しかし、他惑星であるため移住計画を進める上での問題点も指摘されています。例えば、火星は重力が地球の40%しかないため健康上の被害が発生する可能性があります。また、地球に比べて太陽から遠いため太陽光エネルギーが少ないことも人体に悪影響を及ぼすかもしれません。さらには磁気が弱いため地表は放射能や有害な太陽風の影響を強く受けることになります。
画像:NASA
そこで考えられているのが火星を地球に近い環境に作り変えるテラフォーミング(惑星地球化計画)です。火星は大気中の二酸化炭素量が膨大なため植物を育てることが可能だといわれています。植物が生息できれば私たち人類や地球の生物に必要不可欠な酸素を生み出すことができます。また、熱エネルギーがあれば氷から液体の水を得ることができ、寒冷な気候にも対応することが可能です。有毒な放射能や太陽風も屋内での活動を前提に対応し、科学技術を応用すれば防ぐことができるようになるといわれています。人口の増加や地球環境の破壊が深刻化している現在において、他惑星への移住は人類にとって非常に重要な課題なのです。
⑰火星の月 衛星フォボスとダイモス
火星にはフォボスとダイモスというふたつの月(衛星)が存在します。フォボスはギリシア神話の神ポボス、ダイモスは神デイモスからその名前が付けられました。
画像:NASA
フォボスは太陽系の中で最も惑星の近くを周回する衛星であり、火星から6,000kmの距離に位置しています。ダイモスは他に比べて密度が小さく、氷を含んだ衛星であると考えられています。地球の衛星である月の謎については関連記事でまとめています。
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画像:NASA
⑱火星のピラミッド
火星で撮影された写真の中にはピラミッドと見られる建造物が映り込んでいるものが存在します。科学者のあいだではこれらは自然にできたものとされていますが、周りの岩に比べると明らかに違和感があります。また、1976年にNASAの火星探査機バイキング1号が撮影した写真にはエジプトの三大ピラミッドのように等間隔で並ぶピラミッドも写っていました。
⑲火星の文明
火星にはピラミッドの他にも人工物と思われる人面岩やモノリス(人工的に配置された石)などが確認されています。オカルト的目線になりますが、これらはすでに滅んでしまった火星の古代文明が作ったものではないかという説もあります。仮に地球で人類が滅んだとしても、同じようにエジプトのピラミッドは非常に長い間壊れずに残るといわれています。
画像:NASA
⑳火星の蛇
2016年9月にNASAから公開された火星の画像に蛇のような細長い生き物が写り込み世界中を騒然とさせました。これはNASAの火星探査機キュリオシティが撮影した画像で、確かに周りの岩とは明らかに違う細長いものが写っています。研究者は岩場のひび割れが光の加減で強調されたものではないかとしつつも、これが生物である可能性についても発言しました。
画像:dailystar
「現在の火星の環境から考えると蛇のような複雑な生物が生息することは難しいと思われますが、太古に生きていた生物の化石だと考えるなら十分に可能性があります。過去の火星の環境から予想するとウミヘビやウナギのような生物の化石であっても不思議ではありません。」。今後も火星の観測が進み宇宙の化石が発掘できるようになれば、火星の生命の秘密も明らかになっていくはずです。
出典:wikipedia
いかがでしたか?地球と同じ太陽系に位置する火星。私たち人類が火星に移住する日はそう遠くなさそうです。