目次
恐竜の種の多様性
これまでに発見された恐竜は約800種類で、現在でも年間20種類以上の新種が発見されています。恐竜は1500種以上存在したはずだとされていますが、三畳紀、ジュラ紀、白亜紀の長い期間繁栄したこともあり数万種は超えるとする研究者もいます。
また、一般的に恐竜だと思われているプテラノドンやエラスモサウルスは正確には恐竜ではありません。しかし、意外に多くの人はそれを知りません。
今回はそんな恐竜の種類についてご紹介しようと思います。
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恐竜の定義
「恐竜(dinosaur)」という名称は「恐ろしい(deinos)」+「トカゲ(sauros)」の合成語であり、1842年に古生物学者のリチャード・オーウェンによって命名されました。「○○サウルス」という呼び方は恐竜固有のもののようなイメージがありますが、現代のトカゲにも付けられる呼び名です。
恐竜は三畳紀に現れ中生代を通して繁栄した脊椎動物群で、当時の地球環境に多様に適応しました。海洋、陸上合わせて非常に大型になる種も多く存在しました。一般的に恐竜とは「古代の大型爬虫類」の総称として用いられており、翼竜、首長竜、魚竜にも使われます。
画像:Davide Bonadonna
しかし、恐竜の定義は、「直立歩行に適した骨格を持つ爬虫類」とされており、これらの定義からプテラノドンやエラスモサウルスなどの翼竜、首長竜、魚竜は正確には恐竜ではありません。
知っておきたい人気の恐竜については関連記事にまとめています。
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恐竜の種類
恐竜は主に竜盤目と鳥盤目の2種に分けることができ、それらからさらにいくつかのグループに分類することができます。
画像:retrip.jp
ここではそれぞれのグループの説明とそれに属する恐竜をご紹介します。また、人気の翼竜、首長竜、魚竜についても説明していきます。
竜盤目
竜盤目は骨盤がトカゲ型をしているのが特徴で、頭骨や四肢に原始的な特徴を残していました。獣脚類(獣脚亜目)と竜脚類(竜脚形亜目)がこれに属します。
初期の竜盤目は二足歩行でしたが、竜脚形亜目のグループは次第に四足歩行になっていきました。
獣脚類(獣脚亜目)
獣脚亜目は動きの速い二足歩行型の肉食恐竜のグループです。歯は鋭く、細長い身体つきをしていました。また、前肢にもナイフのような鋭い爪があり、長めの後肢を持っていました。
獣脚類は三畳紀後期から白亜紀後期まで繁栄しました。近年の研究で現代の鳥類と関係があることもわかってきました。
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獣脚類(獣脚亜目)の恐竜
アロサウルス・フラギリス
時代 ジュラ紀後期
体長 8.7m
産地 アメリカ ユタ州
画像:kyouryu.info
エオラプトル・ルネンシス
時代 三畳紀後期
体長 1.5m
産地 アルゼンチン サンフアン州
画像:uugeo.com
ケラトサウルス・ナシコルニス
時代 ジュラ紀後期
体長 4.5m
産地 アメリカ ワイオミング州
画像:flickr.com
シノサウルス・トライアシクス
時代 ジュラ紀前期
体長 5.2m
産地 中国 雲南省 禄豊県および晋寧県
画像:dinosaurpivoting.boards.net
デイノニクス・アンティルロプス
時代 白亜紀前期
体長 2.7m
産地 アメリカ ワイオミング州
画像:contentparadise.com
ティラノサウルス・レックス
時代 白亜紀後期
体長 11.3m
産地 アメリカ サウスダコタ州
画像:blastr.com
竜脚類(竜脚形亜目)
竜脚形亜目は四足歩行をする草食恐竜のグループです。他のグループに比べ首と尾が長く、小型の物から体長が40mを超える大型のものまで存在しました。しかし、体のわりには頭が小さいことが特徴です。
竜脚類の恐竜は三畳紀後期からジュラ紀前期にかけて出現し、ジュラ紀の後半に最も繁栄しました。
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竜脚類(竜脚形亜目)の恐竜
カマラサウルス
時代 ジュラ紀後期
体長 15m
産地 アメリカ ワイオミング州
画像:wikipedia
マメンチサウルス・ホチュアネンシス
時代 ジュラ紀後期
体長 23.2m
産地 中国 四川省 重慶市
画像:arcadiastreet.com
ブラキオサウルス・アルティトラクス
時代 ジュラ紀後期
体長 22m
産地 アメリカ コロラド州
画像:dinosaurier-info
鳥盤目
鳥盤目の恐竜は基本的に草食性で、背中に剣板や装甲板を持ったものや襟飾り状の骨を持つなど見かけが特徴的です。初期は二足歩行のグループでしたが、四足歩行をする種類も現れるようになりました。
三畳紀後期に出現し、ジュラ紀から白亜紀にかけて繁栄しました。鳥盤目には鳥脚類(鳥脚亜目)、剣竜類(剣竜下目)、堅頭竜類(堅頭竜下目)、ヨロイ竜類(ヨロイ竜下目)、角竜類(角竜下目)の5つのグループが属しています。
鳥脚類(鳥脚亜目)
鳥脚亜目の恐竜は草食性で、二足歩行あるいは二足と四足歩行を併用していました。大きさは小型のものから20メートルを超えるものまで幅広くいます。
ジュラ紀前期から白亜紀後期までの地球で生息していました。
鳥脚類(鳥脚亜目)の恐竜
イグアノドン・ベルニサルテンシス
時代 白亜紀前期
体長 9.3m
産地 ベルギー
画像:avsturner.blogspot.com
エドモントサウルス・アネクテンス
時代 白亜紀後期
体長 7.5m
産地 アメリカ サウスダコタ州
画像:losporquesdelanaturaleza.com
コシサウルス・カツヤマ
時代 白亜紀前期
体長 約3m
産地 福井県勝山市北谷
画像:Nobu Tamura
剣竜類(剣竜下目)
剣竜下目は、草食恐竜のグループで四足歩行をしていました。背中から尾にかけて2列の剣板やトゲがあるのが特徴です。
背中の剣板は、熱の吸収と放出に使用されたといわれており、ジュラ紀中期からジュラ紀後期にかけて繁栄していました。
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剣竜類(剣竜下目)の恐竜
ステゴサウルス
時代 ジュラ紀後期から白亜紀前期
体長 7m
産地 北米、中国
画像:io9.gizmodo.com
トゥオジャンゴサウルス
時代 ジュラ紀後期
体長 7.2m
産地 中国 四川省 自貢市
画像:planetdi.startlogic.com
堅頭竜類(堅頭竜下目)
堅頭竜下目の恐竜は頭に特徴があり、頭骨の一部が厚く盛り上がっています。これはメスの獲得競争でオス同士が頭をぶつけ合い戦うために用いられたと考えられています。
白亜紀のヨーロッパ、北アメリカ、アジアに生息していました。
堅頭竜類(堅頭竜下目)の恐竜
パキケファロサウルス
時代 白亜紀後期
体長 3.1m
産地 アメリカ モンタナ州
画像:kyouryu.info
ステゴケラス
時代 白亜紀後期
体長 2m
産地 北アメリカ
画像:cosmosmagazine.com
ヨロイ竜類(ヨロイ竜下目)
ヨロイ竜下目は四足歩行の草食恐竜のグループです。厚く頑丈な装甲が、胴や尾の背面や側面を覆っていました。装甲は防御に、尾のコブは攻撃に用いられました。
ジュラ紀中期から白亜紀にかけて繁栄しました。
ヨロイ竜類(ヨロイ竜下目)の恐竜
クライトンサウルス・ボーリニ
時代 白亜紀後期
体長 3.9m
産地 中国 遼寧省
画像:dinosaurpictures.org
ユーオプロケファルス・ツツス
時代 白亜紀後期
体長 4.3m
産地 アメリカ モンタナ州
画像:jurassicfightclub.forumsmotions.com
角竜類(角竜下目)
角竜下目は、四足歩行型の草食恐竜です。様々な種が存在するグループで小型の鳥程度の大きさから象を超える大きさのものも存在します。頭の骨が発達してできた大きな「襟飾り」が特徴です。
ジュラ紀後期から白亜紀後期にかけて繁栄していました。
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角竜類(角竜下目)の恐竜
アルバータケラトプス・ネスモイ
時代 白亜紀後期
体長 5.2m
産地 アメリカ モンタナ州
画像:tuomaskoivurinne.deviantart.com
プロトケラトプス・アンドリューシ
時代 白亜紀後期
体長 2.1m
産地 中国 内モンゴル自治区
画像:es.prehistorico.wikia.com
トリケラトプス
時代 白亜紀後期
体長 9m
産地 北アメリカ
画像:discovermagazine.com
翼竜
中生代に生息していた爬虫類の一目で、翼竜目に属する動物の総称です。初めて空を飛んだ脊椎動物でもあります。
小鳥ぐらいの大きさから翼開長12mを超えるものまで様々で、コウモリに似た構造を持つ翼を持っていました。体長に対する体重の軽さが特徴で翼開長18mに及ぶケツァルコアトルスでも70kgほどだったといわれています。
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翼竜の生物
プテラノドン
時代 白亜紀後期
体長 8m
産地 北アメリカ 日本
画像:kyouryu.info
ケツァルコアトルス
時代 白亜紀後期
体長 5.3m
産地 北アメリカ
画像:wikipedia
プテロダクティルス
時代 ジュラ紀後期
体長 1m
産地 ヨーロッパ 東アフリカ
画像:kyouryu.info
首長竜
首長竜は、中生代三畳紀後期に現れ、ジュラ紀、白亜紀を通じて栄えた水生爬虫類です。多くは名前のとおり非常に長い首を持っていましたが、首が短い種も含まれます。
非常に長い期間繁栄を極めましたが他の大型水生爬虫類同様、白亜紀の大量絶滅を乗り切れずに絶滅しました。
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首長竜の生物
エラスモサウルス
時代 白亜紀後期
体長 14m
産地 北アメリカ
画像:dailynewsonline.jp
リオプレウロドン
時代 ジュラ中期
体長 11m
産地 ヨーロッパ
画像:dinosaurpictures.org
プレシオサウルス
時代 三畳紀後期
体長 5m
産地 ヨーロッパ
画像:genesispark.com
魚竜
魚竜はイルカに似た大型海棲爬虫類で、三畳紀前期に陸棲爬虫類が進化して生まれたグループです。
ジュラ紀の海では繁栄を極めましたが、白亜紀になると首長竜にその地位を取って代わられました。
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魚竜の生物
イクチオサウルス
時代 ジュラ紀
体長 2m
産地 アメリカ ヨーロッパ
画像:scified.com
ショニサウルス
時代 三畳紀後期
体長 15m
産地 北アメリカ
画像:jurassicpark.wikia.com
いかがでしたか?恐竜は好きでも、細かい分類までは知らなかったという方も多かったのではないでしょうか。冒頭でも触れましたが、生物学的には現在見つかっている恐竜の種類ではまだまだ数が少な過ぎるといわれています。
今後も続々と新種が発見されることに期待しましょう。
出典:wikipedia