魔の三角地帯と呼ばれる「バミューダトライアングル」。このバミューダトライアングルで発生する事故や事件の原因は一体何なのでしょうか?
今回はバミューダトライアングルに関する事件とその原因についてご紹介しようと思います。
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目次
バミューダトライアングル
バミューダトライアングルとは
バミューダトライアングルとは、バミューダ諸島とフロリダ半島、プエルトリコ自治連邦区を繋ぐ三角形の海域を表す言葉です。この海域では昔から船や飛行機の奇妙な事故が多発していました。そのため「魔の三角地帯」とも呼ばれ、これまでに1000人以上の行方不明者が出ているといわれています。
バミューダトライアングルでの不審な事故はオカルトや超常現象の一種として扱われることも多く、世界でも最も有名なミステリーのひとつに数えられています。
画像:Map of the Bermuda Triangle
バミューダトライアングルでは船や飛行機が遭難する際に、方位磁石や機器系統に異常が発生することがわかっています。また、失踪した船や飛行機はその残骸さえ発見されません。他にもバミューダトライアングル内では奇妙な光や濃い霧のような現象が確認されることもあるようです。
バミューダトライアングルに関する事件と事故
バミューダトライアングルでは船や飛行機の不審な失踪事件や事故が数多く報告されています。また、バミューダトライアングル内ではないものの近隣の北太平洋の海域でも同様の不審な事故が発生しています。
ここではバミューダトライアングルやその周辺で発生した事故の中でも特に有名なものをご紹介します。
①米軍戦闘機フライト19失踪事件
バミューダトライアングルで起こった失踪事件の中でも最も有名なのがこの米軍戦闘機フライト19事件です。
第二次世界大戦終戦の年である1945年12月5日の午後、フライト19と呼ばれる5機の戦闘機チームが訓練のためフロリダの海軍基地から飛び立ちました。当日は天気も良く気象の乱れも確認できなかったため訓練は2時間程度で終了する予定だったといいます。しかし、出発から1時間ほどたった頃、フライト19のエドワード大尉から管制塔に奇妙な無線が入ります。
画像:National Archives Identifier
大尉「管制塔!我々はコースを外れてしまったらしい!何処にも陸地が確認できない!」
管制官「落ち着くんだ。現在の位置は?」
大尉「わからない!ここは何処だ!?我々は一体何処を飛んでいるんだ!?」
管制官「それでは取り合えず西に向かって進んでくれ。」
大尉「西がどっちかもわからない!いつもと様子が違うんだ!海が白い!何もかもがおかしい!」
これには管制官も驚きました。管制官が指示した西の方角とはその時間の太陽の方角だったからです。フライト19のメンバーは太陽の位置も確認できない状態にあったということになり、それは通常では考えられないことでした。
ここでフライト19との無線は一旦途絶えますが、しばらくして再度管制塔に通信が入ります。
隊員「我々は完全に現在地を見失った。全ての戦闘機で機器系統が異常を示している。た、助けてくれ!白い水に突入した!」
大尉「何てことだ……。見てくれ!我々がいる場所は……!?」
これ以降、フライト19との通信は完全に途絶えてしまいます。あまりの状況に驚きながらも燃料切れによる墜落を心配した管制塔は、飛行艇マリナー号にフライト19のメンバー救出を依頼します。しかし、マリナー号がフライト19との最後の無線地点に到着した頃、今度は救出に向かったはずのマリナー号から奇妙な無線が入ります。
画像:U.S. Navy
マリナー号「フライト19は未だ発見できない。それにしても周囲の様子がおかしい。……何か白いものに突入した!?」
この通信以降、フライト19と同様にマリナー号までもが連絡が取れなくなってしまいました。その後、数日にわたる大規模な調査が行われましたが、フライト19とマリナー号は残骸さえも発見されることはありませんでした。
②輸送船サイクロプス号失踪事件
1918年3月、アメリカ海軍の輸送船であるサイクロプス号がバミューダトライアングルの海域に侵入して以降、その消息がわからなくなりました。サイクロプス号はギリシア神話のサイクロプスにちなんで命名された巨大な船であり、重量は14000トン、乗組員は200人を超えていました。
画像:NH 101063
サイクロプス号は救難信号も出しておらず、200人以上の乗組員を乗せていたにも関わらずひとりの漂流者も発見されませんでした。これだけ巨大な船が沈没したのなら必ず見つかるはずの残骸も発見されることはなく、サイクロプス号失踪の謎は100年近く経過した現在でもわかっていません。
③C133カーゴマスター失踪事件
1963年9月、アメリカ空軍の大型輸送機であるC133カーゴマスターがバミューダトライアングル近くの海域で消息不明となりました。出発当初、C133カーゴマスターからは順調に飛行していると無線が入っていました。しかし、その後は管制塔がいくら呼び掛けても全く応答がなくなってしまったのです。
画像:USAF
アメリカ海軍は飛行機200機を投入して一週間にも及ぶ捜索を実施しましたが、乗組員10人の死体どころか飛行機の残骸や輸送品のひとつすら見つけることはできませんでした。
④無人船メアリー・セレスト号事件
1872年、ポルトガル沖でメアリー・セレスト号という船が無人で海を漂っているところを発見されました。メアリー・セレスト号を発見したカナダ船デイ・グラツィアの船員が船内を調べると船内は水浸しの状態であり、いくつかの手すりには血痕のようなものが残されていたといいます。また、船には誰も乗っておらず放棄された状態でした。
画像:Honore Pellegrin
メアリー・セレスト号の乗務員の失踪原因については諸説ありますが、この事件もバミューダトライアングルの怪異のひとつとして語られるようになりました。
⑤バミューダトライアングル上空の怪事件
1970年12月、経営者の男性が乗った飛行機がバミューダトライアングルを飛んでいたときに起きた事件です。飛行機が高度3000メートルに達しようとしていたとき、平たい楕円形の雲が発生していることに気が付きました。後に、その雲は高度6000メートル以上の上空に発生するレンズ雲に似ていたと男性は語っています。
画像:pixabay
その雲は男性が乗る飛行機の後を数回にわたって追いかけるように接近しました。不審な雲を何とか振り切った男性でしたが、今度は壁のように広がる真っ白い雲のようなものが出現します。飛行機が雲の壁に侵入すると内部では白い閃光が走っていました。
ようやく壁のような雲を抜けると今度はトンネル状になった雲が発生していました。飛行機はその雲でできたトンネルの中を飛んでおり、雲は回転しながらどんどん小さくなっていきました。男性はトンネルが完全に閉じる前に飛行機のスピードを上げ、脱出することに成功します。
画像:pixabay
しかし、トンネルを抜けた先は白い霧のような景色が広がっており、どこからが空でどこからが海なのかわからない状態だったといいます。方位磁石は異常をきたしていましたが、幸運にも無線は使用できたため男性はマイアミの管制塔に自分が飛んでいるであろう位置を報告し救助を依頼しました。ところが管制菅からはレーダーにはそのような飛行機は写っていないといわれてしまいます。
混乱する男性をよそに突如無線の調子が悪くなり、突然音声が途絶えてしました。しかし、数分後に再度管制塔から連絡が通信が入り、男性の飛行機が突然レーダーに現れたことを伝えられました。
彼はこの後無事に帰還しており、バミューダトライアングルの怪異を体験した人物として有名になります。行方不明になったフライト19やマリナー号が見た「白い何か」とは、この男性が見た雲と同じものだったのでしょうか?
バミューダトライアングルの謎の真相は?
バミューダトライアングルで起こる失踪事件や謎の現象について現在では様々な原因が考えられています。ここではバミューダトライアングルの怪異の原因とされる説の中でも特に有名なものをご紹介します。
①メタンハイドレート説
メタンハイドレートとは、メタンガスが海水温によって冷やされ海底でシャーベット状に固まった状態のものをいいます。バミューダトライアングルの海底にはメタンハイドレートが多く存在することがわかっており、これらが数多くの失踪事件の原因になっているとする説です。
画像:pixabay
海底火山の噴火などでこのメタンハイドレートが温められるとメタンガスの泡が発生し、海上の船の浮力を奪って沈没させてしまいます。沈没はかなりの短時間で発生するため船は救難信号を送ることができず、浮力が失われることで船の残骸や乗組員たちの死体が浮上することもありません。また、飛行機が上空を通った場合にもエンジンが不完全燃焼を起こし、墜落することになります。
火山とメタンハイドレートが反応して爆発を起こした際にはプラズマが発生すると考えられており、これにより報告にあるような機械のトラブルに繋がるといわれています。このメタンハイドレート説は現在バミューダトライアングルで発生する事故を説明する最も有力な説だといわれていますが、失踪前に彼らが語ったような「白い何か」の説明は付きません。
②マイクロバースト(空気爆弾)説
2016年には衛星写真がバミューダトライアングルの上空に不自然な六角形の雲を撮影しました。これは急激に成長した積乱雲が海面に向けて爆発的な突風を発生させるマイクロバースト(空気爆弾)と呼ばれる現象が起こっている証拠になるのではないかと考えられました。このマイクロバーストによる突風が船や飛行機をまるで爆撃されたかのように海に沈めたのではないかというのです。
マイクロバーストによる突風は破壊的な風力を持つため、救難信号を出す前に船を沈めてしまうことも可能だといいます。また、飛行機のパイロットが目撃する雲のような白い何かの発生も説明することができます。しかし、マイクロバーストは文字通りの突風であるため、長時間にわたって飛行機のパイロットと通信が取れていたことの説明が付きません。
③ワームホール説
バミューダトライアングルでは遭難した船や飛行機の残骸も発見されず、忽然と姿を消してしまうことから地上に発生したワームホールに吸い込まれたのではないかとする説です。ワームホールとは、時空のある一点から別の一点を繋ぐトンネルのようなものであり、これを通ればワープやタイムスリップも可能であると考えられています。
画像:Shutterstock
オカルト的な視点になってしまいますが、何らかの理由でバミューダトライアングルにワームホールが発生しているとすれば、数多くの船や飛行機が何の痕跡もなく姿を消してしまうことにも説明が付くのです。しかし、ワームホールは存在する可能性がある理論という位置付けであり、本当に存在するのか疑問視する声もあります。
④人為的問題説
バミューダトライアングルで起こる事故は、すべて人為的なミスによって発生したものとする説です。事故発生時には人間はパニックに陥るため、意味不明な証言をしてしまうことは珍しくありません。
バミューダトライアングルは昔から危険であると噂されながらも相当数の船や飛行機の航路であり、最も盛んに行き来されるもののひとつでもあります。そのため一定数の事故が起こっても不思議ではないというのです。
画像:pixabay
失踪したフライト19のメンバーも経験の少ない隊員がほとんどであったこともわかっています。霧や雲の中に侵入し、さらに機器系統が故障してしまったのだとすればパニックになってもおかしくないのかも知れません。しかし、彼らの証言を単なるパニックであると解釈するには不審な点が多すぎるのではないでしょうか。
バミューダトライアングルでは現在でも事故が起こっているのか?
バミューダトライアングルでの奇妙な事故は現在でも起こり続けているのでしょうか?実は現在では不審な事故はほとんど起こっていません。バミューダトライアングルの事故は1800~1900年代に多く発生していました。しかし、2000年代に入ってからはほとんど発生しなくなりました。
画像:pixabay
船や飛行機の開発技術が進歩するにつれて怪事件が減っているのであれば、やはりバミューダトライアングルで発生する事故は人為的問題やマイクロバーストなどの気象現象が原因だったのかも知れません。しかし、現在説かれて原因でも過去に発生した事故について全てを説明できない点も忘れてはいけません。
いかがでしたか?魔の三角地帯バミューダトライアングルについてご紹介しました。バミューダトライアングルで発生する事故は単なる偶然や自然現象が原因なのでしょうか?それとも私たちの理解を超えた何かが起こっているのでしょうか?消えてしまった1000人の人々は今どこにいるのでしょう。