世界中で注意喚起され対策に取り組まれている「地球温暖化」。この地球温暖化についてあなたはどの程度理解しているでしょうか?
今回は地球温暖化の問題と影響、原因や個人レベルでもできる対策についてご紹介します。
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目次
地球温暖化
地球温暖化とは?
地球温暖化とは、気候や環境の変化が原因となって地球の平均気温が上昇する現象です。地球は45億4000万年のその歴史の中で、これまで何度も温暖化を経験してきました。
現在、私たちが暮らす新生代・第四紀は比較的寒冷な時代であり、今よりも地球の平均気温がずっと高かった時代も存在していたのです。
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しかし、地球に人類が発生して以来、私たちは文明発展と共に自然環境に様々な影響を与えるようになりました。石油や石炭などの化石燃料を激しく消費し、森林や海洋の生態系を破壊していったのです。
これにより地球史上類を見ない速さで環境変動が起こり、急激な地球温暖化が危惧されるようになりました。母なる惑星を顧みずに文明を進化させた人類は、今になって大きなしっぺ返しを受けようとしています。
地球温暖化が進むと何が問題なのか?
地球温暖化が進み地球の平均気温が上昇すると一体どのような問題があるのでしょうか?ここでは地球温暖化によって発生する問題点についてご紹介します。
①自然環境の破壊
地球温暖化が進み平均気温が上昇すると、現在の自然環境は維持できなくなります。現状の自然環境は現在の平均気温によって作られているため、当然と言えば当然です。
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気温が上昇すれば陸地は乾燥し、森林の砂漠化が進行します。海水温が上昇することでサンゴが死滅し、海洋の環境も大きく変化してしまうのです。
②生態系の崩壊
自然環境が破壊されれば、そこに暮らす生物たちにも大きな影響を与えることになります。森林の砂漠化が進むことで草食動物は数を減らし、それを食料にする肉食動物たちも飢餓していくことになります。
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また、海の生態系において重要な役割を持つサンゴが死滅することで、そこを住処にする海洋生物が数を減らします。するとそれを捕食していた大型の魚類もダメージを受け、地球の生態系は崩壊することになるのです。
③異常気象の発生
平均気温が上昇することによって蒸発する水の量が増え、降水量が増加します。これにより豪雨や竜巻などの異常気象が多発します。
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この異常気象はさらなる自然環境の変化と生態系の崩壊をもたらすことになります。地球温暖化の影響はこうして悪循環に陥っていくのです。
④自然災害の増加
豪雨や竜巻の増加はそのまま人類が遭遇する自然災害の増加を意味します。他にも雲が形成されやすくなることで雷の被害の激化も考えられます。
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地上が乾燥することで森林火災なども発生しやすくなり、そこに暮らす動物や人類にさらなるダメージを与えます。地球温暖化が進むと被災するリスクが増加するということなのです。
⑤海水面の上昇
地球温暖化が進み平均気温が上昇すると、南極などの氷が溶けだし海水面が上昇していきます。これにより津波などが発生しやすくなり、人類を含む海岸線の生態系に大きな影響を与えます。
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さらに海水面の上昇により陸地が沈むことで、地上の生物が暮らす土地そのものが減少していくことになります。この問題は私たち人類にとっても深刻で、このまま気温が上昇し続けると近いうちに海に沈んでしまうと予想される国まで存在するのです。
⑥食料問題の深刻化
森林の減少や砂漠化、豪雨などの水害により、これまで当たり前に行われてきた農業や水産業のシステムが正常に機能しなくなる可能性があります。そうした場合、私たち人類は世界規模の食糧難に直面することになるのです。
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また、影響を受けるのは食べ物だけに留まりません。地上が乾燥することで水の蒸発量が増加するため、人類は飲み水を確保することさえ難しくなる可能性があるのです。
こうなれば飢餓による人口の減少が始まり、私たちの文明は崩壊するかも知れません。
地球温暖化が日本に与える影響は?
前項では地球温暖化が世界に与える影響について触れましたが、ここでは温暖化による日本の影響についてご紹介します。
①日本の平均気温が上昇
環境省によれば日本の平均気温は1901年~2000年の100年間でおよそ1℃上昇したとされています。また、東京においては2.9℃も上昇しており、他の地域よりも温暖化の影響が大きいことがわかっています。
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真夏日や熱帯夜も増加しており、逆に真冬日は減少傾向にあるといいます。地球規模で心配されている温暖化ですが、私たちが暮らす日本でも確実に影響が表れているのです。
②降水量や海水位が増加
日本の降水量や海水位も上昇傾向にあるといいます。環境省は一般的に大雨と言われる「時間あたりの降水量が50ミリメートルを超える雨」が増加傾向にあると発表しています。
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また、過去30年間に及ぶ調査において、海水位も毎年2ミリメートル程度上昇していることがわかっています。逆に降雪量は年々減少傾向にあるそうです。
③桜の開花時期の変化
日本の風物詩である桜も地球温暖化の影響を受けていることがわかっています。過去30年のソメイヨシノの開花時期は、過去50年と比べて3日以上早くなっています。
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逆にイロハカエデの紅葉日は過去50年の調査で2週間以上遅くなっていることがわかっています。毎年楽しみに待つ季節の植物からも地球温暖化の影響が見てとれるのです。
④生物生息域の北上
地球温暖化の影響は日本国内に生息する生物たちにも表れています。環境省の調査によりキツネやテンなど山地に生息する動物の行動域が、昔よりも2000メートル以上上昇していることがわかっています。
これは比較的低いはずの山地の気温が上昇していることを示していました。
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また、沖縄では海水温の上昇によるサンゴの白化が増加しており、ウミガメの産卵地も年々北上していることが判明しました。他にも温暖な海に生息する海洋生物の生息域が北上してきているといわれています。
⑤健康リスクの増加
地球温暖化による影響は私たち日本国民の健康にも表れています。平均気温が上昇することにより、夏場に熱中症を発症する人が増加していることがわかっています。
高齢化の進む日本では一人暮らしの高齢者の熱中症による死亡事例も増加傾向にあります。
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また、気温が1℃上昇することで食中毒の発生リスクが4.6%も上昇するといわれています。気温上昇が顕著な都心部において、これらは特に大きな問題になっています。
地球温暖化の原因は?
様々な問題を引き起こす地球温暖化の原因とは一体何なのでしょうか?ここでは有力とされている温暖化の原因についてご紹介します。
①温室効果ガス 二酸化炭素の増加
温室効果ガスとは赤外線を吸収することで温室効果を持つ気体のことです。その中でも最も温室効果が高いのが二酸化炭素だといわれています。
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私たちは石油や石炭などの化石燃料を活用することで、急激に文明を発展させてきました。しかし、その結果大量の二酸化炭素を大気中に放出するようになったのです。
温室効果ガスである二酸化炭素の増加が、現在の地球温暖化の原因の90%を占めていると考えられています。
②森林の減少
植物は二酸化炭素を吸収することで光合成をするという性質を持っています。そのため木の生い茂った森林には温室効果ガスを減らす効果があるということになります。
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しかし、私たち人類は資源や生活域を得るために、二酸化炭素を吸収してくれる木々を次々に伐採していきました。これにより二酸化炭素が吸収されずにどんどん増加するという悪循環を作り出してしまったのです。
さらには地球温暖化によって乾燥が進むことで、森林が砂漠になりやすくなるという悪循環も生まれています。
③アルベド(太陽光反射率)の変化
アルベドとは太陽から放射される光に対しての地球の反射率です。このアルベドが減少することにより、地球に留まる熱エネルギーが増加し、地球温暖化の原因になっています。
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光の反射率は照射対象が白色に近いほど高く、黒色に近いほど低くなっていきます。しかし、人類の活動によって光の反射率の高い雪や氷が減少し、逆に反射率の低い土壌や化石燃料を燃やすことで発生した煤(すす)に覆われた大地が増加しています。
そのため、地球に吸収される熱量が増加し、平均気温の上昇を引き起こす結果に繋がっていると考えられています。
④オゾン層の破壊
オゾン層とは地上から10~50キロメートルの高さに存在するオゾン濃度の高い大気層です。このオゾン層は太陽から地上に降り注ぐ有害な紫外線の量を減らす効果があることがわかっています。
スプレーやエアコン、冷蔵庫などに使用されているフロンガスがオゾン層を破壊することで、地球に到達する太陽エネルギーが増加し、地球温暖化の原因になると考えられました。
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しかし、オゾン層の破壊によって増加する太陽エネルギーは全体の0.01%程度であり、逆にオゾン消滅には寒冷化の効果があることがわかっています。そのため現在ではオゾン層の破壊が地球温暖化に与える影響は他に比べて微々たるものだとされています。
しかし、地上に降り注ぐ紫外線が増えることで皮膚病などのリスクが増加するため、フロンガス削減の取り組みは継続されています。
地球温暖化の現状は?
過去30年間の世界平均気温はそれ以前よりも0.85℃ほど上昇していました。また、世界の平均気温は現在も上昇を続けています。
近年オーストラリアでは記録的な干ばつが長期間にわたって発生し、ヨーロッパでは熱波により多数の死者も出ています。
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ロシアなどの寒冷な地域では春でも防寒着が手放せませんが、最近では夏服で過ごせる日が増えてきているといいます。また、南極では棚氷の崩壊が続いており、極冷にも関わらず何と緑化が進んでいます。
近年日本では地球温暖化が騒がれなくなりつつありますが、現在でも世界中でその影響は確認されているのです。
地球温暖化の今後の予測は?
このまま地球温暖化が進めば、世界はどうなってしまうのでしょうか?環境省は何の対策も取らずに温暖化が進行した場合、21世紀末には世界の平均気温は今より5℃近く上昇すると発表しています。
また、海面水位は平均で82センチメートル上昇すると予測されており、さらに南極の氷が10分の1ほど溶けると海水面の上昇は7メートルに達すると考えられています。
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海水面がこれだけ上昇すれば、いくつかの国は海に沈んでしまう可能性があります。また、乾燥化により現在は豊かな森林が残るアマゾン川周辺も、50年後には砂漠になってしまうという予測結果も存在します。
このまま地球温暖化が進めば今まで一部の地域でのみ起こっていた干ばつや異常気温も世界各地で発生するようになるのです。
地球温暖化への対策は?
地球温暖化が進めば地球の環境と私たち人類を含む全生物に大変な影響があることがわかりました。この温暖化を食い止めるために私たちにできる対策とは一体何なのでしょうか?
温室効果のある二酸化炭素を削減するには国家や企業レベルの対策が必要になり、それらは数十年前に比べると随分進んできています。しかし、個人レベルでの対策はまだまだ徹底されてはいないのが現状です。
ここでは個人でも今からできる地球温暖化の対策についてご紹介します。
①節電を心がける
意外に感じるかも知れませんが人類活動で最も二酸化炭素を放出しているのは電力消費です。そのため電気の消費量を抑えることで個人レベルでも地球温暖化対策をすることが可能です。
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夏場はクーラーの設定温度をいつもより1℃上げ、冬場の暖房は1℃下げましょう。また、使っていない部屋の照明は積極的に消すように心がけます。
導入コストはかかってしまいますが、二酸化炭素を放出しない太陽発電などを利用できれば、地球温暖化対策に大きく貢献できる上に長期的に見れば電気代の節約にもなります。
②車の排気ガスを減らす
電気消費に次いで温室効果ガスを生み出すきっかけになっているのが車の排気ガスです。そのためアイドリングストップなどのエコ運転を積極的に導入することで地球温暖化への対策が可能です。
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また、電気自動車やハイブリッド車などのエコカーを使うことでも排気ガスの量を減らすことができます。他にも徒歩圏内なら車を使わないというのも長い目で見れば簡単かつ有効な対策だといえます。
ウォーキングの機会が増えることで、あなたの健康にとっても良い影響が期待できるはずです。
③石油製品の消費を減らす
石油を使って作られた製品の消費を減らすことも重要な地球温暖化対策になります。トイレットペーパーなどの消費は抑えるのにも限度がありますが、レジ袋などはエコバックを持参することで利用機会を無くすことが可能です。
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また、清涼飲料水の容器として大量に使用されているペットボトルも、マイボトル(水筒)や浄水器を使うことで消費を減らすことができます。
④節水を心がける
実は水を使用するためには大量の電気と石油が消費されています。つまり節水を心がけることは二酸化炭素の放出を減らすことにも繋がっているのです。
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使わない水を出しっ放しにしないことはもちろん、入浴時にもシャワーをこまめに止めたり、綺麗なお湯は入れ替えずに追い炊きや洗濯に利用することが重要です。
これらは地球温暖化の対策になるだけでなく、光熱費などの節約にも繋がります。浮いたお金で今より少し豊かな生活を手に入れることができるかも知れません。
地球温暖化は嘘?懐疑論も存在する
地球温暖化に関する要因や対策は国連の気候変動に関する評価組織「IPCC」が作成した「IPCC第4次評価報告書(通称AR4)」によって世界中に浸透しました。しかし、温暖化のプロセスについては未だ謎の部分も多いため、地球温暖化に対して懐疑的な意見も出ているようです。
懐疑論の中でも特に有名なのが、地球は温暖化しておらず、実は寒冷化しているという説です。
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事実、新生代の第四紀に当たる現代は地球の歴史の中では緩やかな氷河期に該当します。そのため長期的に見れば地球が寒冷化しているのは間違いないのです。
しかし、これは地球という惑星規模の話であり、私たち人類という一生物の尺度で考えれば、地球温暖化を危険視することに疑問の余地はありません。
何故なら地球ではこれまでに幾度となく温暖化と寒冷化が繰り返されてきましたが、その度に大量の生物種が絶滅してしまっているからです。
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また、懐疑論の中には海に浮かんでいる氷が溶けても海水面は上昇しないという意見も存在します。しかし、水は個体から液体になるときに体積が増えるため海水面は上昇します。
もっと言えば海面から顔を出している氷の分も液体になれば体積は増えるのです。
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最後になりますが、私たちは現在引き起こされている地球温暖化が、長期的な自然現象の結果ではないということを忘れてはいけません。
この問題の最も重要な点は、急激な地球環境の変動が人類というたった一種の生物によって、短期間で引き起こされているということなのです。
出典参考:jccca,wikipedia
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いかがでしたか?地球温暖化の原因と影響、その対策についてご紹介しました。私たち人類は生物史上類を見ない速度と規模で発展を遂げました。
しかし、だからこそ今後は地球や他の生物たちへの影響を視野に入れていかなければならないのです。それが地球で最も繁栄した知的生命体の責任と言えるのではないでしょうか?