恐竜や首長竜に並んで人気のある古代の大型爬虫類「翼竜」。巨大生物うごめく太古の地球で彼らがみた景色はどういったものだったのでしょうか?
今回は翼竜の定義や種類、その飛行能力についてご紹介します。
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目次
翼竜
翼竜とは
翼竜とは三畳紀、ジュラ紀、白亜紀にかけて繁栄した古代の飛行型爬虫類です。恐竜や首長竜、魚竜などと同様に独自の進化を見せ、当時の空を支配しました。大きさも小鳥程度のものから最大で10mを超える巨大な種も存在しました。また、その体の大きさに対して体重は非常に軽かったことがわかっています。
翼竜は生物史上初めて空を飛行した脊椎動物であり、爬虫類特有の鋭い歯で獲物を捕まえていました。それまで空を支配していた昆虫よりも強く柔軟な体を持つことで、翼竜は太古の空を支配することができたのです。
出典:michaellandia
翼竜は恐竜じゃない?
よく勘違いされますが翼竜は恐竜ではありません。恐竜と同じ祖先を持ってはいますが、結果的には全く違う生物へと進化しました。また、現代の鳥類も翼竜が進化したものではありません。恐竜と翼竜の違いについては関連記事の中でも触れています。
翼竜は時間が経過するにつれ巨大化していきますが、これは原始的な鳥類との生存競争の結果とされています。しかし、最終的には巨大化した翼竜は白亜紀の大量絶滅を生き残ることができず、小型の鳥類が生存競争に打ち勝ちました。
翼竜の種類
太古の空を自由に飛び回った翼竜ですが、実際にはどのような種類が存在していたのでしょうか?ここでは翼竜の中でも特に有名なものをご紹介します。
プテラノドン
プテラノドンはおそらく最も有名な翼竜ではないでしょうか。白亜紀の地球に生息したプテラノドンは体長9mにまで成長しましたが、その体重はたったの20kgほどしかありませんでした。特徴的なとさかはクチバシとのバランスを保つために発達し、飛行中でも頭を動かしやすくする役割がありました。飛翔能力は非常に高く、上昇気流にのって一度離陸してしまえば100km以上の距離を飛び続けることが可能だったといわれています。プテラノドンは翼竜が有名になるきっかけになった生物で、古生物マニアの中にも多くのファンが存在します。
プテロダクティルス
プテロダクティルスは世界で初めて報告された翼竜で、ジュラ紀の地球に生息していました。最小種は翼竜最小の20cmと小さく、最大種は翼を広げた大きさが2.5mにも達する当時最大の飛行生物でした。魚を主食にしていたことがわかっており、魚を捕獲する際に水中に潜っていた可能性もあるとされています。プテロダクティルスが初めて報告されたのは1784年のことで、鳥でも爬虫類でもない奇妙な生物に当時の人々は驚かされました。
出典:wikipedia,John Bindon・Acrylic/Watercolour
ランフォリンクス
ランフォリンクスは、ジュラ紀の地球に生息した翼竜で、翼を広げた大きさは175cmもありました。口には鋭い歯が並んでおり、この歯を使って昆虫や魚などを捕らえていたと考えられています。
皮膜が良質な化石として発見されたことから、翼竜の翼が繊維状の組織で補強されていたことが判明しました。
ダルウィノプテルス
ダルウィノプテルスはジュラ紀の地球に生息していた小型の翼竜です。2009年に新種と認めらえた比較的新しい翼竜で、体に対して非常に大きい頭を持っていました。ダルウィノプテルスは現生のカラスほどの大きさがあり、小動物を捕食していたと考えられています。頭のトサカは雌個体には存在せず、雄が求愛などのコミュニケーションに用いたのではないかといわれています。
ニクトサウルス
ニクトサウルスは白亜紀の地球に生息した非常に奇妙なトサカを持つ翼竜です。翼を広げた大きさは3.5mとこの時代の翼竜にしては小型の部類でした。ニクトサウルスのトサカは頭の3倍もの長さがあり、ふたつに枝分かれしていました。この長大なトサカの使用目的は解明されていませんが、魚を捕らえるために水面にクチバシを入れる際の衝撃を緩和する役割があったのではないかといわれています。
ケツァルコアトルス
ケツァルコアトルスは白亜紀の地球に生息していた史上最大級の飛行動物です。ケツァルコアトルスは翼を広げた長さが12mにも達し、体高は5mもありました。これは現生のキリンほどの高さを持つ生物が空を飛んでいたことを現しています。しかし、体重は70kg程度しかなかったといわれており、キリンの体重が1t近いことを考えるといかに軽量な作りをしていたかがわかります。ケツァルコアトルスはこの軽量な体により時速60kmという速さで空を飛んでいました。
アランボウギアニア
アランボウギアニアは白亜紀の地球に生息した超大型の翼竜です。以前まではケツァルコアトルスが史上最大の飛行生物といわれてきましたが、新しく発見されたアランボウギアニアはそれをも超える13mの翼開長を持っていました。この見積もりには諸説あり、実際にケツァルコアトルスより大きかったかは証明されていませんが最大級の翼竜であったことは間違いないようです。ケツァルコアトルスやアランボウギアニアのように白亜紀の翼竜はとても巨大に成長しました。
翼竜が飛べないって本当?
翼竜はそのイメージに反して「実は空を飛べないのではないか」という議論をされることがあります。その理由は大きな体で現在の環境で計算すると発見された翼竜の骨格では飛行が不可能とする結果が出たからです。また、骨格から予想される筋肉量ではその巨体を羽ばたきで浮かせることは不可能だというのです。
出典:wikipedia,incolors.club
しかし、現在では翼竜は確かに空を飛んでいたと考えられています。翼竜の体重はその大きさに比べて非常に軽く、超大型種のケツァルコアトルスでさえ70キロ程度しかなかったことがわかっています。また、翼膜には神経が張り巡らされており、その形状を変化させることにより高度な飛行が可能だったといわれています。巨大な翼竜はその翼で風を捕まえ、大空を自由に飛び回っていたのです。まさに大空の覇者に相応しい風格です。
画像:newschoolers
いかがでしたか?恐竜に並び人気のある絶滅動物「翼竜」をご紹介しました。巨大生物うごめく時代、翼竜たちは空からどのような景色を見ていたのでしょうか。