船を沈める海のUMA「クラーケン」。伝説として語られるクラーケンは果たして実在しているのでしょうか?
今回はクラーケンの名前の由来と目撃事例、その正体についてご紹介します。
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目次
クラーケン
クラーケンとは
クラーケンとは、北ヨーロッパで言い伝えられている巨大な海のUMA(未確認生物)です。古くから目撃情報のあるUMAであり、1500年以上前からその存在が信じられてきました。
クラーケンは1755年にデンマークの聖職者エリック・ポントピダンが発表した「ノルウェー博物誌」に取り上げられたことから世界中で知られるようになります。船を襲い沈めるといわれるクラーケンは漁師や船乗りたちからは「恐怖の象徴」として恐れられることになりました。
クラーケンの姿
クラーケンはタコやイカなどの頭足類に似た姿をしていると伝えられています。また、エビやクラゲ、ヒトデのような姿で描かれることもあるようです。クラーケンの特徴は何といってもその大きさにあります。先述したポントピダンのノルウェー博物誌では、クラーケンの全長は数キロメートルにも及ぶと記されています。そのあまりの大きさにクラーケンの姿を視野に収めることはできず、島と間違えて上陸してしまうほどだといわれています。
地球には信じられないほど巨大な生物が多く存在していますが、もしこのクラーケンが実在するとすればそれらと比べても別格の大きさであることがわかります。巨大生物については関連記事にまとめています。
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クラーケンの名前の由来
クラーケンの名前には「捻じ曲がったもの」という意味があります。これは海中から現れるクラーケンのうねる腕に由来しています。クラーケンは巨大すぎるために人間にはその全体像を把握することができず、不気味な触手のみを確認できるとされてきました。
画像:RussellMarks
当時の人々はその名のとおり腕をくねらせながら船を握り潰す海のUMAを想像していたのです。余談になりますが、北ヨーロッパでは奇形の生物のことをクラーケンと呼ぶこともあるそうです。
クラーケンの目撃情報
クラーケンの目撃事例は1800年代に集中して発生しています。得体の知れない海のUMAは当時の人々を恐怖のどん底に突き落としたのです。ここではクラーケンの目撃情報をご紹介していきます。
①1801年 ノルウェー近海に現れたクラーケン
1801年にノルウェー近海やアイスランド沖などでクラーケンとみられる巨大なUMAが目撃されました。その生物は大きな軟体動物のような姿をしていたと記録されており、目撃した船乗りたちによると非常に攻撃的な生物であったといわれています。
②1810年 オンゴラ沖で目撃されたクラーケン
1810年にはアフリカのオンゴラ沖でフランス船の乗組員たちが謎の巨大生物を目撃しています。このUMAは伝説のクラーケンを思わせる姿をしていたといわれています。
画像:Monsters of the Sea. Robert Hale Ltd.
③1861年 捕獲されたクラーケン
1861年の11月、フランスの戦艦アレクタン号が海面を泳ぐクジラよりも大きな謎の生物を発見しました。伝説のクラーケンが出没したと考えた乗組員たちは、戦艦でこの生物を攻撃し何と捕獲してしまいます。
画像:Henry Lee
持ち帰られた生物は巨大なイカの仲間であることが判明し、後にダイオウイカと呼ばれるようになりました。乗組員たちがクラーケンと思った巨大生物は世界で初めて捕獲されたダイオウイカだったのです。
④1896年 砂浜に打ち上げられたクラーケン
1896年11月、アメリカのフロリダ州の砂浜に謎の物体が打ち上げられました。この物体は巨大な生物の体の一部であると考えられましたが、大きさは8メートルを超えていました。
画像:unmyst3
大きさを除けばタコの腕にそっくりだったことから、全長25メートルを超える頭足類の触手であると結論付けられました。この物体は発見された砂浜がある街にちなんで「セントオーガスティン・モンスター」と呼ばれています。
⑤1930年 クラーケンに攻撃された戦艦
1930年にはノルウェーの戦艦ブランズウィック号が巨大な頭足類の襲撃を受けています。その生物は海中から姿を現すとブランズウィック号の横をゆっくりと泳ぎ始めました。ところが急に船の周りを旋回し始め、触手を船に巻き付けて攻撃してきたと記録されています。
画像:Alphonse de Neuville and Edouard Riou
しかし、その生物はスクリューに巻き込まれた後、海中に姿を消してしまいました。この生物は船をクジラと間違えたダイオウイカであると結論付けられましたが、乗組員たちはクラーケンの襲撃を受けたと感じたといいます。
⑥2003年 ヨットレースを襲撃したクラーケン
2003年、世界一周を目指すヨットレースに参加していたジェロニモ号が巨大な軟体動物に襲われました。乗組員は航行中に大きな衝撃を感じ様子を見に行くと太い触手のようなものが船体に巻き付いていたといいます。
驚いた乗組員がヨットを急旋回させるとその生物は触手を離して泳ぎ去りました。その姿は10メートルを超える巨大なイカだったといいます。
⑦2016年 グーグルアースに撮影されたクラーケン
2016年には衛星写真によって地球を観察できる「グーグルアース」にクラーケンとみられる生物が写っていると話題になりました。アルゼンチン南方の北極海に海面から飛び跳ねるイカのような生物が確認できます。しかし、問題はその大きさでした。衛星写真に写り込むほど大きいこのイカは軽く120メートルを超えていたのです。
画像:google earth
発見されているダイオウイカは最大でも20メートルほどだと考えられていることから、この生物がいかに巨大であるかがわかります。グーグルアースで確認できる画像は捏造である可能性はないため、この生物がクラーケンの正体なのかも知れません。
クラーケンの正体は?
目撃されるクラーケンの正体は一体何なのでしょうか?ここではクラーケンの正体とされるものの中から特に有名な説をご紹介します。
①ダイオウイカ説
クラーケンの正体として現在最も有力視されているのがダイオウイカです。ダイオウイカは最大の個体では全長20メートルを超えるといわれている世界最大級の軟体動物であり、正式に発見されてからまだ日の浅い生物でもあります。また、普段は深海に生息しているため現在でも詳しい生態はわかっていません。
画像:Abiogenisis
そのためその存在が知られていなかった時代に目撃されれば、ダイオウイカは巨大な海の怪物に見えたはずです。事実、アレクタン号が捕獲したクラーケンの正体はこのダイオウイカでした。
②コロッサルスクイッド説
コロッサルスクイッドの英名を持つダイオウホウズキイカはダイオウイカと並ぶ世界最大級の頭足類として知られています。体長はダイオウイカとあまり変わりませんが、体重に関しては450キログラムを超える巨大な個体が見つかってます。
画像:EldarZakirov
ダイオウイカと同じく深海を住処としており、体も大きいためコロッサルスクイッドがクラーケンの正体とする説も有力です。
③巨大ヒトデ説
ノルウェー博物誌の著者であるエリック・ポントピダンはクラーケンを巨大なヒトデのような生物だと語っています。多くの場合クラーケンは巨大なタコやイカのような姿で目撃されますが、伝説の中にはそれらの生物には一致しない特徴が存在しているからです。
画像:foureyestock
ポントピダンによると、仮に巨大なヒトデが存在するとしたらそれは語り継がれるクラーケンと完全に一致するといいます。しかし、クラーケンほど大きなヒトデはこれまでに発見されていません。
④UMA(未確認生物)説
クラーケンの正体としてダイオウイカが有力視されながらも、その大きさは伝説のクラーケンとは全く違っているとする意見も存在します。そうした場合、ダイオウイカやコロッサルスクイッドよりもさらに大きな頭足類や軟体動物の新種が存在する可能性も捨てきれません。
画像:incolors
地球上では今でも年間18,000種を超える新種報告がされています。特に深海は宇宙よりも調査が進んでいないといわれており、私たち人類が遭遇していないクラーケンのモデルになった生物が存在している可能性は十分にあります。シーラカンスのように太古の昔に絶滅したと考えられていた生物が深海で生き残っていた例もあります。もしかしたらそういった古生物が伝説のクラーケンとして語り継がれてきたのかも知れません。
出典:wikipedia
画像:elkronoscopio
いかがでしたか?伝説として語られるUMAクラーケンについてご紹介しました。深海という未開の領域が存在することを考えれば、クラーケンが存在していてもおかしくないのかも知れません。