特徴的な外見や特性から他と一線を画する爬虫類「ヘビ」。しかし、ヘビとはそもそもどのような生態を持つ生物なのでしょうか?
今回は世界に存在する様々なヘビの種類とその生態についてご紹介します。
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目次
ヘビ
ヘビとは
ヘビ(蛇)とは、ヘビ亜目に属する細長い形状をした爬虫類です。極地を除くすべての大陸に生息しており、爬虫類の仲間の中でも特に繁栄に成功した種のひとつです。
画像:pixabay
ヘビの祖先は今から1憶年以上も前の白亜紀に発生し、恐竜たちと同じ時代を生きたこともありました。白亜紀後期に起こった大量絶滅によって恐竜たちは地上から姿を消してしまいましたが、ヘビたちはその絶滅をも生き残って現代に存在しているのです。
大きなヘビの種類!世界最大のヘビは何?
世界には様々な大きさのヘビが生息しています。ここではその中でも特に大きな種類のヘビをご紹介します。
10位 ブラックマンバ
ブラックマンバはアフリカ大陸に生息する巨大なヘビです。毒ヘビの中では2番目に大きくなる種であり、最大個体の体長は4.5メートルに達します。
画像:TimVickers
ブラックマンバは巨体に猛毒を持ち動きもとても速いため、アフリカでは非常に有名な危険生物です。
9位 ボアコンストリクター
ボアコンストリクターはアメリカ大陸に生息する大型のヘビです。体長は3メートルほどが平均ですが、大きな個体では5.4メートルを記録しています。
画像:Embreus
ボアコンストリクターは攻撃する際に獲物に飛びついて絡みつき、その太い胴体で絞殺してしまいます。ボアの仲間は締め付ける力が発達しており、本種の名前も「絞殺すボア」という意味があります。
8位 キングコブラ
キングコブラはインドをはじめアジア各地に生息する世界最大の毒ヘビです。確認されている最大の個体は体長が5.5メートルもありました。
画像:pixabay
キングコブラは一度の攻撃で大量の毒を注入することができ、その大きさも相まって非常に危険なヘビだといわれています。
食性も異常であり、主に同種のヘビを捕食する「共食い」食の生物です。
7位 オリーブパイソン
オリーブパイソンはオーストラリアに生息するニシキヘビの仲間です。その体長は最大で6メートルにも達します。
画像:AussieLegend
オリーブパイソンはこの巨体でありながら欧米ではペットとして人気があり、爬虫類のペット業界では比較的メジャーな存在です。
6メートルの大蛇を飼育するとは中々ハードルが高そうですが、ヘビマニアには堪らない種であるようです。
6位 ビルマニシキヘビ
ビルマニシキヘビは東南アジアに生息するニシキヘビの仲間です。確認されている最大の個体は体長が7メートルを超えていました。
画像:Mike Murphy
このヘビは体重が重いことでも有名であり、記録されている最大個体は180キログラムを超えていました。
現在、ビルマニシキヘビは絶滅危惧種に指定されており、世界各地のサファリパークなどで保護されています。
5位 インドニシキヘビ
インドニシキヘビはインドネシアやカンボジア、タイなどを中心にアジア各地に生息する巨大なヘビです。一般的なインドニシキヘビの大きさは3.5~4.5メートルほどですが、最大のものでは8メートルを超える個体が発見されています。
画像:Pratik Jain
インドニシキヘビは熱帯雨林などを住処にしており、主にカエルや爬虫類などの小動物を捕食しています。しかし、巨大な個体の中にはヒョウや人間を丸飲みにしてしまうものも存在しています。
4位 アメジストニシキヘビ
アメジストニシキヘビはオーストラリアやニューギニア島に生息している大型のヘビです。平均的な個体の体長は4~7メートルであり、最大のものでは8.6メートルの個体が確認されています。
画像:One dead president
ペットとして飼育されることもありますが、獰猛で攻撃的な性格のため非常に危険な生物だといえます。
3位 アフリカニシキヘビ
アフリカニシキヘビはアフリカ大陸に生息している大型のニシキヘビです。体長は6メートルを超え、発見された最大個体は9メートルを超えていました。
画像:Graham J. Alexander,University of the Witwatersrand
アフリカニシキヘビは巨大なヘビであるためインパラやガゼル、ヒヒなどの大きな獲物を積極的に捕食します。中にはワニや人間を丸飲みにしたケースも確認されています。
2位 オオアナコンダ
オオアナコンダはアマゾン川流域に生息する大型のアナコンダです。一般的に「アナコンダ」というとこの大アナコンダのことを指しています。
世界最大級のヘビであり、最大の個体では9メートルを超えて成長します。大蛇としても有名で、巨大なヘビを語るときには必ず名前が上がる種です。
画像:JanRehschuh
オオアナコンダは人を襲うことでも知られており、家畜の牛なども簡単に絞殺してしまいます。このように危険なオオアナコンダですが、ペットとして日本に輸入されることもあります。
1位 アミメニシキヘビ
アミメニシキヘビはインドやインドネシア、シンガポールなどに生息する世界最大のヘビです。2位のオオアナコンダと並んで非常に巨大に成長することで知られており、これまで確認されている最大個体は体長がなんと9.9メートルもありました。
画像:dinoanimals
一般的には熱帯雨林などの森林地帯に生息していますが、シンガポールでは人間が作った下水道を住処にしていることもわかっています。
アミメニシキヘビは獲物を捕食する際に太い胴体で締め上げ、呼吸ではなく直接心臓を止めて息の根を止めてしまいます。人間が捕食されるケースも確認されており、とても危険な生物であると考えられています。
番外編 絶滅種ティタノボア
ティタノボアは今から約6000~5800万年前の地球に生息していた地球史上最大のヘビです。すでに地上から姿を消しているこのティタノボアは体長が15メートルにまで成長し、体重も1トンを超えていました。
さらに胴体の最も太い部位の長さは1メートルに達したというのですから、このヘビがいかに巨大であったかがわかります。
画像:tinmoi
従来ヘビの仲間は10メートルを超えて成長できないと考えられていました。しかし、ティタノボアの化石の発見によって環境さえ整えばヘビはさらに巨大に成長できることが明らかになったのです。
危険なヘビの種類!最強の毒を持つヘビは?
ヘビと言えば毒をイメージする人も多いのではないでしょうか?ここでは強力な毒を持つ危険な種類のヘビをご紹介します。
10位 デュボアトゲオウミヘビ
毒性の強いウミヘビの中でもひと際強力な猛毒を持つのがこのデュボアトゲオウミヘビです。デュボアトゲオウミヘビはパプアニューギニアなどのサンゴ礁がある浅瀬に生息しています。
積極的に人を襲うことはありませんが、接触してしまった際には人間に攻撃を仕掛けてくる可能性もあります。
画像:ianimal
デュボアトゲオウミヘビの毒は強力ですが、攻撃に使用する牙が2ミリメートルほどしかないため人体の奥にまで注入されることは稀といわれています。
そのため毒の強さに比べて危険度の低いヘビであるといえます。
9位 タイガースネーク
タイガースネークは主にオーストラリアに生息するコブラの仲間です。最大で体長2メートルにまで成長し、トラのような模様があります。
画像:Eijingoh
タイガースネークは一回の攻撃で成人男性の致死量の4倍以上もの毒を注入することができ、オーストラリアでは特に警戒が必要な毒ヘビとして知られています。
毒の即効性が高く、咬まれてから死亡までの時間が2時間程度しかないため、陸上で最も危険なヘビとされることもあります。
8位 クロガシラウミヘビ
クロガシラウミヘビはインドネシアやニューギニアの海に生息する毒ヘビです。日本でも沖縄や北海道での生息が確認されているため、日本人も遭遇する可能性のある危険なヘビです。
体長は1.4メートルほどにまで成長し、黄色の体に黒い帯状の模様があります。
画像:taringa
クロガシラウミヘビに咬まれると運動障害や身体の麻痺が起こり、最終的には呼吸困難によって死に至ります。ウミヘビは攻撃的でない種が多い中、クロガシラウミヘビは人間を見つけると近寄ってくる習性があり、昼に活発に行動するため非常に危険です。
7位 アマガサヘビ
アマガサヘビは黒い体に白い線模様が入った毒ヘビです。中国やベトナムなどアジア広域に生息しており、主に魚を主食にしています。
しかし、アマガサヘビはインドの「四大毒蛇」にも数えられており、現地では危険生物として恐れられています。
画像:Wibowo Djatmiko
アマガサヘビの毒は非常に強力で、人間が咬まれた場合には全身の筋肉が麻痺して呼吸が停止してしまいます。猛毒を持つだけでなく動きも早く、咬まれても痛みが少ないため処置が間に合わずに死亡する事故が多発しています。
6位 タイパン
タイパンはマムシの150倍以上の猛毒を持つ非常に危険な毒ヘビです。コブラの仲間であり、体長も最大で4メートルにまで成長します。
ニューギニア島やオーストラリアなどに生息しており、獰猛で攻撃的な性格をしています。
画像:CSIRO
タイパンは獲物に攻撃する際に複数回にわたって咬み付き、何度も猛毒を注入します。ひと咬みで注入する毒は成人男性数十人分の致死量だといわれています。
5位 ツノウミヘビ
ツノウミヘビはその名のとおり頭に角を持つウミヘビの仲間です。熱帯の太平洋海域に生息しており、体長1メートルほどにまで成長します。
ツノウミヘビをはじめウミヘビの仲間は積極的に人間を襲うことはありませんが、海水浴やダイビングなどで接触すると咬み付かれることもあります。
ウミヘビの毒は非常に強力であるため、処置が遅れると命を落とすことになります。このツノウミヘビの毒も人を殺すのに十分な猛毒です。
4位 セグロウミヘビ
セグロウミヘビはオーストラリアやインド洋の浅瀬に生息するウミヘビの仲間です。普段は魚を主食にしていますが、刺激すると人間を攻撃することもある危険なヘビです。
背中が黒色をしているのが名前の由来であり、腹部が黄色いのが特徴です。体長は60~90センチメートルほどしかなく比較的小型のヘビですが、その毒は非常に強力です。
画像:Aloaiza
セグロウミヘビの攻撃によって注入される毒は少量ですが、人間が咬まれると筋肉が痙攣し、内臓が損傷して死に至ります。セグロウミヘビは稀に日本の北海道近辺でも確認されています。
3位 ブラックマンバ
「死の化身」と呼ばれ神話などにも登場するブラックマンバは非常に強力な毒を持ったヘビです。その体長は4.5メートルにまで成長し、アフリカでは最大の毒ヘビとして恐れられています。
ブラックマンバはハンターとしても強力であり、非常に優れた瞬発力と身体能力を持っています。また、50メートルを11秒ほどで走行できるため、草むらでは人間が走っても逃げ切れません。
画像:TimVickers
ブラックマンバの毒は猛毒なうえに量も多いため、咬まれると数時間で心臓が停止します。また、治療をしなかった場合の致死率は100%です。
2位 イースタンブラウンスネーク
オーストラリアの有名な危険生物であるイースタンブラウンスネークは、世界で二番目に強い毒を持つヘビです。体長2メートルにまで成長するこの毒ヘビは普段はカエルやネズミなどの小動物を食べていますが、時として人間に襲い掛かることもあります。
画像:Poyt448 Peter Woodard
イースタンブラウンスネークに咬まれるとめまいや下痢、けいれんなどを引き起こし、最終的には心臓が停止してしまいます。
イースタンブラウンスネークの毒は少量でも人間70人を殺すことができるといわれています。
1位 ナイリクタイパン
コブラの仲間であるナイリクタイパンは世界最強の猛毒を持つ危険なヘビです。その毒の殺傷能力はマムシの800倍以上ともいわれており、獰猛で攻撃的な性格をしています。
ナイリクタイパンはオーストラリアなどに生息しており、体長3メートルほどに成長します。
画像:pixabay
このヘビに咬まれると傷口に激痛が走り、頭痛やめまい、下痢を引き起こした後に失神して死亡します。死亡までの時間も早く毒の注入から30分程度しかありません。
一匹のナイリクタイパンの毒によって殺せる人間の数は360人を超えるといわれています。2位のイースタンブラウンスネークと比べても相当強力な毒であることがわかります。
不思議で奇妙なヘビの生態
その姿形だけで十分に奇妙な生物であるヘビですが、その生態も不思議に満ちています。
ここではヘビの不思議で奇妙な生態をご紹介します。
①ヘビには足がある
あまり知られていませんが、実はニシキヘビの仲間には足があります。これはヘビがまだ足を持っていた頃の名残であり、現在でも爪のような形で腹部に備わっています。
この足は筋肉と繋がっているため、ヘビの意思によって動かすことが可能です。しかし、現在では何の役にも立っていないと考えられています。
②ヘビは第六感を持っている
ヘビは他の生物には備わっていない第六の器官をもっています。その器官は眼と鼻のあいだに位置しており、赤外線を感知することができます。
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ヘビの仲間はこの器官によって獲物の体温を感知し、視界が悪い場所や夜間でも正確に対象の位置を把握できるのです。この器官は非常に精密で周囲の温度を0.1℃単位で知ることができると考えられています。
この第六感は他の生物には備わっておらず、ヘビのみが持つ非常に特殊な能力なのです。
③ヘビは獲物の呼吸に合わせて絞殺す
ヘビは獲物を絞殺すときに何も考えずに力任せに力を加えているわけではありません。獲物の呼吸に合わせて効率よく対象を絞殺しているのです。
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ヘビは敏感な皮膚によって獲物の呼吸を感じ取ることができます。そして、獲物が息を吐くタイミングを見計らって胴体を締め付けていきます。
こうすることで獲物は息を吐くことしかできず、力任せに締め付けるよりも早く窒息死させることができるのです。
しかし、アミメニシキヘビのような大型のヘビの中には強力な筋力で直接心臓を押さえつけて獲物を死亡させる種も存在しています。
④ヘビは獲物の大きさを気にしない
ヘビは自身よりも大きな生物を丸飲みにしてしまいます。これは生物としては非常に珍しいことです。自身よりも大きな獲物を攻撃することは怪我や死亡のリスクがあり、とても危険だからです。
ところがヘビは自身よりも大きな獲物にも攻撃を仕掛け、仕留めることができればそのまま丸飲みにしてしまいます。これはヘビが捕食者として非常に優秀であることを表しています。
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しかし、巨大すぎる獲物を丸飲みにしたために内臓が破裂して死亡したヘビが数多く発見されています。死亡する可能性があっても大きな獲物を丸飲みにすることから、それ自体がヘビにとって本能的な衝動であることがわかります。
ヘビは根っからの捕食者だというわけですね。
出典参考:wikipedia
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いかがでしたか?奇妙で不思議なヘビの種類と生態をご紹介しました。地球にはまだまだ魅力的な生物が溢れています。